『リクルートの女性力』を書いた福西七重氏(ナナ・コーポレート・コミュニケーション代表取締役)に聞く
--ハードな働き方になりますね。
現場を大事にする。現場で実感したことを形にしていく。社外に出て、外の世界できちんと勝負ができるようにならなければいけない。外飯(そとめし)を食え、外酒(そとざけ)を飲めと勧められる。
残業もリクルートの女性たちはいとわない。逆に親御さんからクレームがきたりして、うちの娘を早く帰してくれと。本人は仕事が面白いからついついのめり込んでしまう。遅くまで残業していて終わってから飲みにいったりもする。
--河野(栄子・元社長)さんは残業しなかったと、この本にあります。
「女の着ぐるみを着た男」と言われた河野さんは、残業をしないことを誇っていた。「残業をする人は能力がないから」とはっきりと言っていた。早くにサッと帰るが、マージャンなどにも興じる。マージャンに強いのは有名だったが、それは勝つまでやめないから。発想はわかりやすく、結局は、個々人の考え方だからと、それを大事にした。
--女性的な会社が生き残る時代とも。
男性の発想はテキパキしている。どちらかというと、女性のほうがイジイジしている。ただ見方を変えれば、女性のほうが粘っこいというか、粘り強い。つまり女性的な会社はいざという厳しいときに粘り強く忍耐強くやれる。だから女性的な会社のほうが生き残りやすく、男性的な会社はパキッとくじけてしまうところがある。