ベンツ「Eクラス」最新進化はここまでスゴい

2016年内に日本へ上陸する新型に乗ってみた

ヨーロッパの街並みに溶け込む(写真は「E300」)

新採用というわけではないが、もうひとつ面白かったのが、対向車線にはみ出したとき、操舵ではなく、自動でブレーキを少しだけかけてクルマを白線内に戻してやる「アクティブ・レーンキーピング・アシスト」と「アクティブ・ブラインドスポット・アシスト」の機能だ。

ドライバーが「白線をはみ出している」という意識がないとき、いきなり操舵を自動で行うと、人間はそれに反発して反対側にハンドルを切ろうとすることがあるという。このシステムでは、ドライバーに気づかれないように、はみ出したのと反対側のブレーキをちょっとだけかけると、物理の法則に従って、クルマがすっと元の車線に戻って行く。

「責任はあくまでドライバーにある」

レクチャーの際に、「責任はあくまでドライバーにある」と注意を受けた。これは、米・運輸省(NTHSA)による分類ではレベル2にあたる。段階だけでいえば、テスラ・モーターズが「モデルS」向けに配信した自動運転と同じだが、モデルSでは時々、ぎょっとするようなハンドルさばきをすることがあるが、新型Eクラスでは、安心して乗っていられるクルマの挙動になっている。その点が、ヴェンチャーと130年の老舗の違いだろう。

日本でのエントリー・モデルとなるであろう2Lガソリン・エンジンの「E200」でも充分に走ると思ったが、同じ2Lであれば、俊敏な走りを手に入れて、なおかつ次世代の排ガス基準と燃費基準をクリアする「E220d」も検討してみる価値は十分にある。

2Lガソリンの184馬力という最高出力の値は、同じ排気量のディーゼルのそれと大きな違いはないが、最大トルクは300Nmと、100Nmもの差があって、それが走りに現れるからだ。今回、試乗車には同じく2Lの排気量ながら出力を245hp/370Nmに強化した「E300」もラインナップされていた。この主戦場はアメリカで、日本に導入されるもう一機種の2Lガソリン・エンジンは「E250」となる予定だ。

もう1台、気になるのがPHVに自社製9速ATを組み合わせた「E350e」だ。エンジンとモーターを組み合わせたシステム出力で286馬力/550Nmを発揮する一方で、2.1L/100kmと低燃費を誇り、CO2排出量は49g/kmと、欧州委員会による2020年の目標値をクリアしている。

パワーシートの操作は直感的に行える

肝心の走りはというと、とてもエコカーと思えない加速感だ。ヨーロッパの一般道によくあるラウンドアバウトの合流では、瞬発的な加速が欲されるが、そんなシーンでは特に、発進時に最大トルクを発揮できる電気モーターの特性が活かされる。

高速道路に乗ってしまえば、エンジン回転数を抑える。アクセルペダルから足を離せば、すぐにエネルギーを回生して、バッテリを充電する。ボッシュとの共同で開発した電気モーターと、エンジンの協調制御も熟成さており、外国製のハイブリッド車にありがちなギクシャク感はまったくない。和製ハイブリッドに慣れた人でも、「E350e」の走りはスムーズに感じられるだろう。

今回、自社製9速ATとPHVの組み合わせは初となるが、制御にまったく不安なところはなかった。初期の頃、まだGM(ゼネラルモーターズ)と手を組んでハイブリッドを開発していた時代から、着々とノウハウを蓄積してきている。

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