それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子著

それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子著

8月になると改めて「不戦の誓い」をする人も少なくないだろう。「かつて、よき日本人が『もう戦争しかない』と思い、世界最高の頭脳たちが『やむなし』と決断。世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた」。

その敵、味方の正当化の論理はいかがなものか。本書は、時々の戦争の根源的な特徴、それが地域秩序や国家、社会に与えた影響・変化を簡潔にまとめる。

具体的には、5章建てで、日中が東アジアでの覇権を争った日清戦争、陸海軍の共同作戦に新しさがあった日露戦争、日本の主観的な挫折が尾を引く第1次世界大戦、「日本切腹、中国介錯論」が示唆する満州事変と日中戦争、そして「戦死者の死に場所を教えられなかった」太平洋戦争など、新しい視点で戦争を解剖する。

体裁は近現代史研究者による中高生向け戦争史講座だが、縦横無尽に考え抜かれた一級の「戦争と平和論」となっている。

朝日出版社 1785円

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