それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子著

それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子著

8月になると改めて「不戦の誓い」をする人も少なくないだろう。「かつて、よき日本人が『もう戦争しかない』と思い、世界最高の頭脳たちが『やむなし』と決断。世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた」。

その敵、味方の正当化の論理はいかがなものか。本書は、時々の戦争の根源的な特徴、それが地域秩序や国家、社会に与えた影響・変化を簡潔にまとめる。

具体的には、5章建てで、日中が東アジアでの覇権を争った日清戦争、陸海軍の共同作戦に新しさがあった日露戦争、日本の主観的な挫折が尾を引く第1次世界大戦、「日本切腹、中国介錯論」が示唆する満州事変と日中戦争、そして「戦死者の死に場所を教えられなかった」太平洋戦争など、新しい視点で戦争を解剖する。

体裁は近現代史研究者による中高生向け戦争史講座だが、縦横無尽に考え抜かれた一級の「戦争と平和論」となっている。

朝日出版社 1785円

Amazonで見る
楽天で見る

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • フランスから日本を語る
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 財新
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT