価格比較サイトの風雲児「コネコネット」のオタク力

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 掲載商品数も、「価格.com」の3700万点に対しコネコネットは2000万点弱。圧倒的な規模の差に、「集客ツールとして費用対効果が高いのはカカクコム。口コミ情報の多さ、集客力で考えるとカカクコムだけで十分」と話すのは、パソコン・家電販売サイト「ECカレント」を運営するストリームの劉海涛社長。ストリームは価格.com経由の集客が総集客数の5割を占め、コネコネットと取引はない。

掲載商品数、事業社数を増やせば、サイトへの訪問客増が期待でき、それがサイトの価値向上につながることは確か。コネコネットも商品分野の拡大を急いでいるが、柴田社長は「何より、分野ごとに専門性の高い情報を提供することが不可欠」と、初心を曲げる気配は一向にない。

「オタクと呼ばれるほど商品知識が豊富なユーザーが見れば、サイト制作にどれだけ力を入れているかわかるはず」(柴田健一副社長)。オタクユーザーをリピーターにすれば、口コミで一般ユーザーにも利用者の裾野は広がる。こうした戦略には、そんなオタクユーザーたちの知識に対抗できるだけの“オタク力”を持った専門家の社員が必要だ。

それだけに、同社の場合、新分野進出はひとえにオタク級の人材確保にかかっている。実際、昨年立ち上げた日本初のワインの価格比較サービスは、ワインソムリエを採用できたことで実現した。

ところが、オタク級の専門知識を存分に生かしつつ、かつ企業の戦略に従って行動できるビジネスマンとなると、人材確保も難しいのが実情だ。

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