価格比較サイトの風雲児「コネコネット」のオタク力
この消費不況下、絶好調ぶりが際立つ価格比較サイト最大手、カカクコム。2009年4~6月期連結経常利益32%増、6月の月間利用者数が過去最高を更新、株価は年初来高値更新など、連日威勢のいい話が飛び込んでくる。収入減により出費を少しでも抑えたい消費者を味方につけ、年間2~3割増で拡大を続ける価格比較サイト市場。そこに圧倒的な商品数とブランド力で君臨しているのがカカクコムだ。
09年6月、その王者とサイト掲載事業者数で肩を並べた会社がある。「コネコネット」を運営するベンチャーリパブリックだ。一強カカクコムが君臨する無風状態の戦場に現れた風雲児は、アンダーグラウンドに眠る“オタク”人材を掘り起こし、オタクならではの専門性を武器に、真っ向から勝負を挑んでいる。
「価格サイトの情報は必ず多様化を迫られる」
ベンチャーリパブリックが運営する購買支援サイトは16。パソコン、家電商品を中心に価格を比較できるコネコネット、主要旅行会社200社の国内航空券、パッケージツアーを検索できる「トラベル・ジェーピー」、カタログ通販24社の商品情報を比較できる「通販・エヌイージェーピー」などだ。柴田啓社長は「創業当初から専門性を意識してきた」と話す。その言葉どおり、同社は専門性の追求を最大の課題に据える。
サイト作成、商品を掲載する事業者への営業は、各分野で知識を持つ社員が当たる。ワインソムリエ、元ミュージシャンに元ゴルフライター、コミュニティサイトを運営しオフ会(サイトで知り合った同士が実際に集う親睦会)まで開いてしまうフィギュアオタク、等々。こうした社員がオフィスで肩を並べ、PCパーツやらフィギュアなど各人が精通した分野を「専門家」として担当している。