小康状態のメガバンク、みずほ独り負けの理由

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小康状態のメガバンク、みずほ独り負けの理由

今期こそは黒字のはずが、出鼻をくじかれたみずほフィナンシャルグループ。前期末に巨額赤字を計上した3大メガバンクグループのうち、2009年4~6月期決算で、みずほだけが赤字から脱却できていない。

大きな原因は、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の評価損失606億円。CDSは融資先が債務不履行に陥った場合、損失を補填してもらうために保証を買う取引だが、スワップ取引で評価損益を計上する必要がある。4月以降、リスク資産に資金が戻る中、CDS価格が低下してヘッジが裏目に出た。

三井住友フィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループも、CDSでそれぞれ100億円、200億~300億円の損失を計上したとするが、みずほはポジションが大きかった。みずほコーポレート銀行は大企業取引が主体で、CDSの取引対象となる大企業向け融資が多いことも響いたようだ。

収益力の違いは歴然

明暗を分けたのはCDSだけではない。この損失を除いても、みずほの利益水準は低い。仮に4~6月期の経常損失からCDSの損失分を差し引くと、455億円の黒字となる。対して三井住友と三菱UFJは、CDSの損失を含めても、それぞれ1152億円、1363億円と大きく水をあけられている。

背景には、収益力の違いがある。傘下の商業銀行の預貸利回り差で比較すると、みずほコーポレート銀行とみずほ銀行(リテール、中小中堅企業担当)の合算で1・27%と、三井住友銀行の1・65%、三菱東京UFJの1・37%よりも低く、預貸収支が弱い。

また、みずほ信託銀行は43億円の経常赤字を喫している。三井住友はグループに信託銀行を持たないが、三菱UFJ信託銀行は232億円の黒字。手数料ビジネスからなる役務取引利益の水準も、回復しているとはいえ1016億円で、三井住友の1236億円、三菱UFJの2333億円と比べて低い。

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