JRと私鉄の競合10区間、便利なのはどっちか 安さと速さと快適さを徹底比較

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8)三つ巴の戦い、大阪~京都間

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大阪~京都間は昔から私鉄各社とJRが競争を繰り広げてきた。京阪電車は2階建ての特急が売りだ

話を関西圏に移そう。京阪神のうち、大阪と京都の間は、JR、阪急、京阪の三つ巴の戦いが昔から続いている。ルートを大阪のビジネス街本町・淀屋橋あたりから京都のビジネス街烏丸御池への移動に絞って考えてみよう。

まずはJRから。新幹線利用と在来線の新快速利用が考えられるけれど、乗り換えを含めたトータルな時間で考えるとあまり違わず、1時間弱。ならば、梅田まで御堂筋線、大阪駅から新快速、京都駅からは地下鉄烏丸線に乗って950円である。

阪急京都線特急利用なら、御堂筋線、阪急京都線で烏丸下車。律儀に地下鉄に乗りかえるか、目的地によっては歩くかだが、烏丸下車までは580円で済む。

淀屋橋駅から京阪特急利用なら、三条駅まで52分、410円。烏丸御池まで地下鉄東西線に乗ると、620円である。実際の目的地によって、三者を使い分けるのがいいと思う。

関空アクセスは車両で選べ!

9)関西空港へのアクセス

大阪の中心部から関西空港への移動はどうするか?空港アクセス特急としては、JRの「はるか」と南海の「ラピート」がしのぎを削っている。京都や新大阪からなら「はるか」がおススメだが、本町・淀屋橋あたりから関空へ向かう時はどうだろうか?

まずは「はるか」利用。御堂筋線で天王寺へ出て乗り換えることになる。1950円だが、特別料金不要の関空快速なら地下鉄運賃込みで1300円。

一方の南海ラピート。なんば乗換で1610円と「はるか」よりも安くなる。空港急行利用なら1100円。アクセス特急の所要時間は、ほぼ互角。運賃のみで利用可能な電車を含め選ぶといいだろう。あとは車両に対する好みの問題か。

10)JR特急も使える大阪~姫路間

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大阪~姫路間はJRのほかに阪神・山陽電鉄の直通特急がある

最後に、大阪から姫路への移動を比べてみた。まずは山陽新幹線。「のぞみ」なら新大阪から僅か30分。大阪から新大阪までの在来線を含めると3220円。大阪駅から新快速で姫路へ向かうと、ほぼ1時間、1490円である。

なお、大阪から姫路までの在来線には、特急「はまかぜ」「スーパーはくと」という2種類のディーゼル特急が走っているので、これに乗るのも面白そうだ。座れるかどうか分からない新快速より安心かもしれない。

一方、阪神の梅田駅から神戸高速経由で山陽電鉄に直通する特急が走っている。乗り換えなしというメリットがあるものの、停車駅が多くてたっぷり1時間半かかる。クロスシート車に当たればいいけれど、ロングシート車のこともあるので、その場合はうんざりだ。JRの運賃1490円に対し1280円と若干安いけれど、あまり魅力的な選択肢とは思えない。

以上、三大都市圏の競合路線を10カ所選んでみた。ほかにも比較するのが興味深いルートがあるので、稿を改めて書いてみたい。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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