IT業界の2016年度業績は、ズバリこうなる 「会社四季報」記者が大胆予想、注目企業は?

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スマホゲーム 薄曇り→曇り

売り上げランキングの上位が固定化し、新作ゲームは食い込んでいくのが難しい。流通するゲーム本数が増加した結果、ユーザーの目も肥えている。「ゲームのグラフィックや遊びやすさなどを相当作り込まないと、見向きされない」(ゲーム大手幹部)と、開発コストが各社にのしかかっており、体力のある大手が有利な状況で、中堅以下には厳しい状況だ。

ミクシィ「モンスト」はまだ陰っていない

スマホゲーム業界では、ミクシィの「モンスターストライク(モンスト)」とガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の2強がそびえ立つ。「パズドラ」は配信から5年目に入り、課金ユーザーの目減りが続いている。ただ、ガンホーはゲームの新機能追加などテコ入れを続けており、減少ペースは以前の想定よりもやや緩やかだ。このため、前号比でガンホーの2016年12月期の営業利益は45億円の上振れを予想する。

ミクシィの「モンスト」についても、「緩やかにユーザーが減少する局面に入った」という観測もあったが、今年1月に過去最高のユーザー数と単月売り上げをたたき出した。会社側は2016年3月期の業績予想を100億円上方修正。2強に続くヒットタイトルであるコロプラの「白猫プロジェクト」も足元では好調が続く。会社予想は2016年9月期に360億円の営業利益を見込むが、足元の勢いを維持できれば20億円上振れするとみる。

昨年末に上場したマイネットは、配信から時間が経つなどし、ユーザーが減ったり、収益性が落ちたりしたゲームを買い取って運営する。この再生工場のようなユニークな事業モデルそれ自体が、市場の飽和と成熟化が急速に進んでいることを物語っている。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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