アン・マルケイヒー 米ゼロックス会長--大切なのは誠実なリストラ、リーダーはフェアであれ
--今後事務機メーカーはサービス会社、あるいはドキュメント関連のコンサルティング会社といった存在になっていくのでしょうか。
われわれはそうした方向性を目指しています。たぶん競合他社も同じだと思いますが、残念ながら彼らはまだ実現できていません。
--大企業の女性CEOはアメリカでもまだ珍しい存在だと思いますが、日本では部長や役員クラスですらまだまれです。毎年富士ゼロックスを訪れるたび、女性役員が一人もいないことにおかんむりなのでは。
正直に言って、日本の女性進出は世界の中でも大幅に遅れていると感じています。それは、もったいないことです。人口の半分を占める女性の才能を埋もれさせているのですから……。女性も職場で成果を出し、私生活でも家庭を持ったり夢を実現したり、充実した人生を送れるはずです。日本では、職場にロールモデルとなるような女性が増えることが必要なのでしょう。
--ご自身は会社では経営者、家庭では2児のよき母というロールモデルを実践されてきたわけですね。
家庭の話は子供たちに聞いてもらったほうがいいかもしれませんね(笑)。ただ、ゼロックスでは女性であることを意識するよりも、自分のなすべき職務に集中することができました。そうした環境で33年間勤められたことは、非常に幸運だったと思います。
(聞き手:鈴木雅幸、桑原幸作 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)
Anne Mulcahy
1952年生まれ。76年米ゼロックス入社。営業、人事部門を経て、経営危機にあった2000年、社長兼COOに抜擢される。翌01年CEOに就任。今年7月CEOを退き会長職一本に。家庭では2児の母。
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