旭テック子会社倒産の「なぜ」と「これから」--入交昭一郎社長に聞く

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--旭テックとのシナジーはなかったのか。

トレンドとしてビッグ3は右肩下がり。だから、メ社も、アジア系や日本の自動車メーカーへのシフトを図っていた。日本メーカーに食い込むには、日本本社の開発センターに認めてもらうことが必須だ。そのために、旭テックの中にメ社の技術センターを作り、開発を始めていたが、本格的に動き出す前に、足元が崩れてしまった。

--RHJのコリンズ氏は、旭テック、メ社以外にも複数の自動車部品会社を買収し、「総合部品メーカー」の建設を構想していた。その戦略に誤りはなかったのか。

(コリンズ氏は)旭テックをプラットフォームとし複数の部品会社を統合して、グローバルな自動車部品メーカーを作ることを考えていた。

グローバルな部品メーカーという方向性は、間違いなく正しい。シビックやカローラは世界14~15ヵ国で生産し、4~5年ごとにモデルチェンジする。自動車メーカーはそのたびに、国ごとの部品をチェックしなければならない。これは悪夢だ。

自動車メーカーはワンストップ・ショッピングを望んでいる。部品会社自体、そうしないと生き残れないと思っている。が、理想はそうでも、グローバル化に伴ってリスクも複雑さも増幅される。デンソーやボッシュでさえ、すべてをカバーできるまでにはなっていない。

--コリンズ氏はメ社のパワートレイン部門を再買収する意向を表明しているが

グローバル・メーカーへの夢は捨てていない、ということだろう。ファンドの創業者は数字だけの人が多いが、彼はロンマンチスト。その昔、カミンズ・エンジンで実際に部品も作っていた。(再買収する)メ社のパワートレイン部門はメ社の中で一番強い部門。EBITA(償却前営業利益)で7~8%の利益率があった。

ただ、今回、再買収しても、旭テックとは統合しないようにお願いし、了解してもらった。当面の間は、シナジーどころでない。1社1社どうやって生き延びるか、なのだから。 

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