巨象トヨタを苦しめる負の遺産、“絶頂からの転落”を徹底検証《特集・トヨタ土壇場》


 「グローバルに考えたら、日本メーカーが国内工場を閉鎖するのは、中国やインドで新工場を立ち上げるときではないか。日本の設備を移せば無駄も少ない」と分析するのは川原英司・ATカーニーパートナー。ほかにも国内ではトヨタ車体はじめボディメーカーがある。一説には、「関東自動車工業とセントラル自動車が同じ東北生産拠点を軸に一緒になるのでは」(業界筋)など、地域を軸にした再編案も漏れてきた。いずれトヨタで始まる、「大リストラ」の号砲となるかもしれない。

過去の拡大路線に懲りたトヨタは、臆病なまで能力増強には逡巡しているようだ。受注が20万台を超え、生産がまったく追いつかない新型プリウスさえ、2工場4ラインから増やそうとしない。一見、多大なる機会損失に映るが、「新たに投資すればその分、リスクも生じる。プリウス好調もいつまで続くか」(トヨタ幹部)。かつての膨張の反動か、トヨタではあらゆる分野で今、歯車が逆回転を始めている。

章男新社長が示した トヨタの自己否定

この先トヨタはどこへ向かうのか。6月25日、章男氏の新社長就任会見で注目された発言が、二つあった。「商品軸や地域軸」を重視した経営と、さらに「退く分野を見極める」というせりふだ。

これは従来の「全方位かつフルラインナップ戦略」からの脱却を意味する。欧米など成熟市場では車種を減らす一方で、新興国や資源国といった成長市場では車種を充実させる。地域に合わせた最適なクルマを適時投入すべく、副社長陣には海外各市場を担当させ、いわば“小さなトヨタ”の集合体をイメージする。


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