保活の「早生まれ損」は残念ながら本当だった 明暗分ける生まれ月、都市部では超狭き門に

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江東区をはじめとする人気のマンションエリアを構える自治体は、頭を抱えている。共働きの若い世帯が多いからだ。同区は昨年、世田谷、杉並区に次いで都内で3番目に保育サービス利用児童数が増加した。今年4月に7つ開園するなど対策は取られているが、現場は待機児童の対応に追われている。

ではなぜ早生まれの保活が厳しいと言われるのか。

0歳児対象を生後57日~としている理由

「お腹の中にいる間に同学年の子はどんどん生まれてきて、そのママたちは保活をしているわけです。その子たちは4月に一斉入園しますから、早生まれの子が年度途中で入園したくてもまず無理。空きがありません」と解説するのは託児付きランチのサービスや保活セミナーなどを提供しているここるく(目黒区)代表取締役の山下真実さん。多くの自治体の場合、4月入園の申込期間を秋~冬に設定していて「早生まれはまだ生まれていない」という事情がある。

また、多くの認可保育園では0歳児の対象を“生後57日~”としている。労働基準法で産後56日間は就業してはならない定めとなっているからだ。今年の江東区の場合は2月5日がボーダーライン。それ以降に生まれた子は同学年の子と同時に “スタート”が切れない。そうなると年度途中や1歳児4月での入園チャンスを待つことになるのだが、在園児がそのまま進級するため、「早生まれが狙える枠はかなり狭い」という。

山下さんが担当する保活セミナーでは早生まれ出産予定のママに対し、「認可保育園は初年度は見送る覚悟で、保活は妊娠中から認証、認可外を前提として動いてください」とアドバイスしているという。

山下さんは「これは都市部に限ってのこと。少し郊外へ行くと空きがある園もある。認証も認可外もベビーシッターさんもどうにも決まらなかったら、郊外へ引っ越すのもひとつの手段です」と明かす。

長女が生後10カ月になったら復帰しようと考えていた沙織さん。当初は0歳児クラスの途中入園を希望したが、妊娠中から申し込んでいた認可、認証、認可外……すべて叶わなかった。

沙織さんは産休に入ってすぐに保活を始めていた。片っ端から認証や認可外の保育施設に電話をかけ、良さそうなところは臨月のお腹を抱えて見学に行って申し込んだ。寒い冬の中、足を運んだ園は10カ所以上。「出産前はスタイ(よだれかけ)でも手作りしながらゆっくり過ごそう」と思い描いていた穏やかな産休は、慌しい日々となった。

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