保活の「早生まれ損」は残念ながら本当だった 明暗分ける生まれ月、都市部では超狭き門に

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しかし保活は意外な展開でピリオドを打つことに。認可園“落選”の通知を受けたあと、ダメ元で待機状態の認証保育園に電話をかけた。すると「ずーっと待ってもらっていたからOKです!」と明るく言われ、あっさり入園が決まった。出産前に申し込んだ園に救われたのだ。月額約7万円と保育料は想定を上回るが背に腹は代えられない。

やっと心が晴れた2月の終わり。気づけば職場復帰まで1カ月となっていた。1年以上続いた保活をこう振り返った。「妊娠前は生まれ月がこんなに保活の明暗を分けるとは思ってもみなかったです。でも妊娠中から保活していてよかった。第二子を目指す時が来たら、早生まれは避けたいと思います」。

お受験には「ほぼ関係なし」

保活においては圧倒的に不利な早生まれ。保活の先に待ち受けている“お受験”への影響はないのだろうかと懸念するママも多い。そこで小学受験などに詳しい幼児教育の専門家に話を聞いた。

「受験に関していうと、早生まれは配慮されていてテストの時間を分けたり、合格ラインを変えたりしています。早生まれに配慮しない学校はあまりありません」と「幼児さんすう総合研究所」(渋谷区)を営む大迫ちあきさんは説明する。

有名私立校は特にその傾向が顕著で、人気の高い慶應義塾横浜初等部などは「試験は、生年月日順にグループに分けて行います。生まれ月による有利・不利はありません」とホームページ上で公表している。

「今の有名私立校が求めていることは早期教育ではなく、もう少し原点的なところ」という。人の話を聞いて協力できるか、考える力があるかといった点が重視される。「早生まれの子が気を付けたいのは、わからないところを質問できるかといったことくらい。それは普段の親子関係で身に付きますので、早生まれの子のお母さんたちは心配なさらないで」と大迫さんは話す。

早生まれに対し、配慮のない保活と温かい配慮が行き届いたお受験。対象がママか子どもかで異なるが、両極端とも言える対応だ。認可保育園を司る行政が見直すべき点もあるだろう。子どもは授かりもの。保活のためのバースコントロールは本来、あるべきではない。

大楽 眞衣子 生活ジャーナリスト

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だいらく まいこ

横浜市出身、静岡県在住。大学卒業後、全国紙の記者を経てフリーのライター、生活ジャーナリストに。「主婦」という生活者の経験と目線、「記者」としての取材力を融合させた社会問題、生活ネタを複数のWEB媒体等で執筆中。得意分野は社会問題、女性の生き方、子育て、PTA問題、地方、医療など生活にかかわること全般。男の子3人の母。

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