当時、IRIは東証マザーズに上場を果たしていました。ITバブル真っ盛りの時期で、市場から調達した資金を有効に使わなければいけない状況だったのですが、社員の9割がルーターのエンジニアでそれがうまくできない。文系の親友は、技術者に囲まれてたった一人で投資判断をするのは難しいと思っていたようです。彼から誘いを受けて、違う思考を持つ技術者と仕事をするのもいいなと思いましたし、事業金融の延長線のような仕事を事業会社でできる点に魅力を感じました。
なにより、その親友と一緒に仕事をやれるならいいなと思ったんです。僕とはものの見方がつねに違うのですが、彼とは結論が同じになるんですよ。一緒に何かやったらいろいろ面白いことがあるだろうなと期待したんです。
IRIという会社については何も調べませんでした。もともとインターネット関連は、これからさらに伸びる分野だろうという感覚があったので、ネットワークの世界では面白い会社かなという印象でした。入社後は、技術に対する理解がある程度ないと投資の判断ができませんから、インターネットの本質的な言葉や仕組みを覚えました。すぐ隣にさまざまな分野の技術者がいる環境でしたので、いろいろなことをタダで教えてもらうことができて勉強になりましたね(笑)。
(写真:尾形文繁)
1995年、慶應義塾大学経済学部を卒業、日本興業銀行入行。コーポレートファイナンスや審査部を経て、2001年インターネット総合研究所に入社。企業買収・事業投資を実践した手腕を買われて、同年インスパイアに入社。創業者の成毛眞氏に「若さを生かした柔軟性と機動力を併せ持ち、混沌とした経済環境の中に、一石を投じながら勝ち抜いていく最適な布陣」「永きにわたり私を支えてきた優秀な番頭」と言わしめ、08年に代表取締役社長に就任。
■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。
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