イワシと気候変動 漁業の未来を考える 川崎健著

日本の漁獲高は減り続け、食卓になじみ深いイワシの水揚げも伸び悩む。海洋生態学者が、その事情を解説する。
これまでは人間の乱獲が漁獲量に影響すると考えられてきた。それに加えて、魚の多寡は地球の大気や海中の状況の影響を受ける。世界の海は「統一した法則」の下で変化しているのだ。現在は温暖化による海水温の上昇で、世界中の海で生態系が激変し、日本近海の環境と魚の分布も変わった。
著者は漁業・海洋資源を世界で一元的に管理することが合理的だとする。しかし現実の世界では各国が自国の経済的利益を追求し、海の分断が進んだ。その方針を転換し「地球環境の切り売りをしてはならない」と主張する。
岩波新書 735円
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