新聞社は身内の不正に甘いのか、厳しいのか 「申告漏れ」の報道姿勢を分析してみると?

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東京・築地の朝日新聞本社(撮影:梅谷 秀司)

「粉飾決算」や「不正会計」がしばしば事件になる。本来は業績の悪い会社が、実態よりも良く見せようと会計上の売上高や利益を意図的に操作する行為だ。昨年発覚し、今も尾を引く東芝の不正会計事件は記憶に新しいところだ。

逆粉飾決算ともいわれる「脱税」や「申告漏れ」という言葉も一般的には悪いイメージがある。文字どおり、納税額を本来より低く納税する行為だ。悪質だった場合は、税法違反で罰金や懲役を課されることもあり、税務当局から延滞税や加算税を徴収されることもある。

ただ、脱税や申告漏れは、実際には判断が微妙なケースがある。どこまで経費として認めるか、あるいは認めないか。あるいは経費ではなく資産として計上すべきかもしれない。そこには企業と税務当局のあいだで見解の相違も存在する。意図的に隠そうとしたワケではなく、経理・財務担当者の誤認や誤解が原因になっているようなケースも想定される。

もちろん、そうした行為自体を認めているわけではない。ただ、言いたいのは、白黒はっきりつけがたい領域があることだ。ライブドアや東芝など、さまざまな企業が不適切な会計処理で話題となった。そのなかには相当に悪質なものもある。しかし、連日のように、何ページも新聞の紙面を割かれるのを見るたびに、複雑な思いに私はとらわれる。

新聞社の「申告漏れ」

ところで、2000年から2015年まで見ると、新聞などの報道で確認できる限り、新聞社や通信社自身による脱税が15件ほどニュースになっていたことを知っているだろうか。ほぼ毎年1件は起きていることになるが、いま記事を読んでいる読者の大半が、このことを知らないのではないだろうか。

代表的なのは次のとおりだ。

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