新聞社は身内の不正に甘いのか、厳しいのか 「申告漏れ」の報道姿勢を分析してみると?

✎ 1〜 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 33 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
・2012年に中日新聞社は2億8600万円の申告漏れを指摘された
・2012年に日経新聞社は3億3000万円の申告漏れを指摘された
・2012年に朝日新聞社は2億5100万円の申告漏れを指摘された
・2008年に毎日新聞は4億円の申告漏れを指摘された
・2008年に共同通信社は61億円の申告漏れを指摘された
(いずれも複数年を指摘されたもの)

 

指摘内容は、社員同士の飲食費を交際費計上していたり、資産計上のミスだったりするものだ。共同通信社の61億円はあまりに多額に見える。共同通信社は、非収益事業と収益事業の双方にかかっている費用を配賦していたが、それが認められなかったため、61億円にもいたった。しかし、一見、共同通信社の処理が間違っているとは思えないような、かなり微妙なものだ。

筆者が興味を持ったのは、東芝など他社の不適切会計を大々的に報じる各社が、それをどう報じているかだ。粉飾であれ逆粉飾であれ、新聞社のそれと東芝の金額規模はだいぶ違う。ただ、仮に故意でなかったとしても、脱税や申告漏れが不正行為であることには違いがない。自社あるいは同業他社のケースを、新聞各社はどう報道してきたのだろうか。

新聞各社は他社の脱税事件をどう扱ってきたか

筆者は、代表紙(毎日、朝日、読売、日経)のバックナンバーを確認した。そして記事の文字数を確認していった。記事は東京版の朝刊を基本とし、2000年から過去の記事を調べてみた。

結果は次の通り、小さな文字数でしか扱っていない。縦軸はその新聞が報じた日付で、横軸は問題となった新聞社。数字はその問題を扱った文字数だ。

毎日新聞が、自社・他社の脱税を報じた記事 → 文字数平均324

朝日新聞が、自社・他社の脱税を報じた記事 → 文字数平均460

次ページ読売新聞、日経新聞は
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事