指摘内容は、社員同士の飲食費を交際費計上していたり、資産計上のミスだったりするものだ。共同通信社の61億円はあまりに多額に見える。共同通信社は、非収益事業と収益事業の双方にかかっている費用を配賦していたが、それが認められなかったため、61億円にもいたった。しかし、一見、共同通信社の処理が間違っているとは思えないような、かなり微妙なものだ。
筆者が興味を持ったのは、東芝など他社の不適切会計を大々的に報じる各社が、それをどう報じているかだ。粉飾であれ逆粉飾であれ、新聞社のそれと東芝の金額規模はだいぶ違う。ただ、仮に故意でなかったとしても、脱税や申告漏れが不正行為であることには違いがない。自社あるいは同業他社のケースを、新聞各社はどう報道してきたのだろうか。
新聞各社は他社の脱税事件をどう扱ってきたか
筆者は、代表紙(毎日、朝日、読売、日経)のバックナンバーを確認した。そして記事の文字数を確認していった。記事は東京版の朝刊を基本とし、2000年から過去の記事を調べてみた。
結果は次の通り、小さな文字数でしか扱っていない。縦軸はその新聞が報じた日付で、横軸は問題となった新聞社。数字はその問題を扱った文字数だ。
毎日新聞が、自社・他社の脱税を報じた記事 → 文字数平均324
朝日新聞が、自社・他社の脱税を報じた記事 → 文字数平均460
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