新聞社は身内の不正に甘いのか、厳しいのか 「申告漏れ」の報道姿勢を分析してみると?

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読売新聞が、自社・他社の脱税を報じた記事 → 文字数平均424

日経新聞が、自社・他社の脱税を報じた記事 → 文字数平均290

はあ、なるほど、たった200~400文字なのね、というのが私の感想だ。調べる前から、おそらく答えは出ていたのだと思う。いま記事を読んでいる読者の大半が、新聞社や通信社自身のこうした問題を知らなかったはずであり、それは”控えめ”な報道ぶりに依るものなのだから。

朝日新聞社は賞賛に値するか

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繰り返しになるが、新聞社の申告漏れといっても、悪質なものはほとんどなく、微妙なものが多い。これは強調しておかねばならない。ただ、身内にはなんとなく甘いという空気も感じる。

ところで、ちょっと違う観点から、褒める新聞社も決めておこう。他社の申告漏れを語るときと、自社の申告漏れを語るとき、どちらの文字数が多いかを比較してみた。自社の“つまずき”こそ、大いに反省してしかるべきだろう――。と思ったら、4社中3社は、

自社の申告漏れ記事文字数 < 他社の申告漏れ記事文字数

となった。一方で、

自社の申告漏れ記事文字数 > 他社の申告漏れ記事文字数

となっていた新聞社が1社だけあった。それは、朝日新聞だ。他社の申告漏れ記事の文字数が平均416に対して、自社の申告漏れ記事の文字数が平均538となっていたのだ。もちろん皮肉ではなく、朝日新聞はみずからに厳しい新聞社ということなのだろう。

とはいえ、扱いがあまりに小さいことには変わりはない。身内に甘い報道をするのではなく、身内だからこそ厳しく詳報することが、かえって読者の信頼を勝ち取ることになると思うのだが、いかがだろうか。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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