週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
キャリア・教育 #「若き老害」常見陽平が行く サラリーマン今さら解体新書

「商売の本質を知らない人」の浅すぎる思慮 「インバウンド狙い」という時点でアウト!

14分で読める
  • 常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家
2/6 PAGES
3/6 PAGES

常見:次に2015年の「『日経トレンディ』ヒット商品ランキング」のトップ10を1位から順番に言うと、「北陸新幹線」「火花」「インバウンド消費」「コンビニドーナツ」「ココナッツオイル」「ガウチョパンツ」「チョイ呑み」「明治プロビオヨーグルトPA-3」「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」「アップルウォッチ」でしたね。

では、出演者が気になった2015年のトレンドなどをお伺いし、読み解いて頂きましょう。まず、石川さんは?

石川:「インバウンド消費」「移動スーパー」「カーシェアリング」ですね。自分の発想法でご紹介しやすいものを選びました。

常見:気になりますねえ。

発想するときにはいつも「国語算数理科社会」で考えるという石川氏

石川:僕の本を読んでいただいた方にはおわかりいただけると思いますが、僕は、いつも発想するときに「国語算数理科社会」という考え方をします。まず、国語。国語というのは、たとえば、ユーザーの気持ちを知ることです。

それは作者の気持ちを知る、主人公の気持ちを知るのと同じように、国語力がないと、気持ちがわかりませんね。気持ちがわかった上で、そのひとがどれくらいたくさんいるかと算数を考えて、「結構そういう人いますね」ということになったら、「なんでそんな不満、不平、不便があるんだろう?」と理科で理由を考えます。それが解消されていない背景を考えるのが社会です。

常見:私、この考え方、大好きなんですよ。特に算数ではなく、国語から、人の気持ちから入るのが好きです。で、まず、「インバウンド消費」ですね。

「インバウンド消費」への違和感

石川:これを挙げたこと自体は、あまりにオーソドックスで、全然、面白みもないかもしれません。なぜ、敢えてこれを挙げたかというと「インバウンド消費」って全然商売人の言葉じゃないんですよね。

どう考えても「インバウンド消費」って言葉を使っている方がおもてなしをしている感じがしないんですよ。商売人で、「うちの消費者は……」っていう人、絶対にいないですよね。そう考えると、こうやって言っている間は、まだまだイマイチなんだろうなという思いがあって。

常見:なるほど。何というか、外国人の観光客を自分たちが儲ける「手段」として捉えているようにすら感じます。搾取の対象なんじゃないかとすら思えます。

石川:外国人の人たちに対して日本に来て、何を不満に思っているのかな、何を不便に感じているのかなっていうのを、ふつう商売人だったら、それを考えて、じゃあこうしましょう、ああしましょうってなると思うんです。でも、商売人と話をしていてもその言葉が出てこないんですよね。

それが僕、すごく不思議で、お客さんのことをまだまだバカにしている人が多かったりとか。「いやぁもう中国人がね…」って。そんなことを言われたら、お客様からしたら腹が立ちますよね。だからそういう意味で言って、まだまだこれから広がるんだろうなっていう意味合いを込めて「インバウンド消費」を入れました。

次ページが続きます:
【多くの人は、算数から話を始める】

4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象