絶好調「MUJI」は、中国で"成長加速"に挑む トップが明かす世界戦略の中身

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中国では200店体制を確立。「2016年には40店、17年以降は50店へ、出店スピードを上げていく」と、松崎暁社長は豪語する(撮影:今井康一)
「無印良品」を展開する良品計画が好調だ。2015年度第3四半期(3~11月期)連結決算は、売上高が前年同期比19%増の2267億円、営業利益が同45%増の258億円と、いずれも2ケタの伸びを見せ、過去最高を記録した。
特に中国での成長が牽引している。良品計画の松崎暁社長は、東洋経済の取材に対し、今年以降、出店スピードを一段と加速する方針を示した。中国ビジネスの成功の秘訣は何か。海外で「MUJI」が成功している理由について、日本を代表する小売りトップが大いに語った。

中国では日常品に目が向いてきた

――足元で中国が好調な理由は何でしょうか。

消費が実需になっていることが大きい。今まではハイエンド、ブランド物を買うことに購買が向かっていたが、今は完全に日常生活で自分たちが使う実需の消費に変わってきている。背景には中国政府が出した倹約令もある。賄賂や不正が禁止され、百貨店の商品券や高級時計などの売り上げは、かなり落ちている。逆に、日常的に使うものに対して、目が向いてきている。それが非常に我々にとって追い風だ。

「あれだけ赤とか黄色だとか派手な国で、シンプルなものを買うんですか」って、よく言われるが、とんでもない。「MUJI」の好きな人は中国にたくさんいる。いろいろな物を持って、その中で物を見る目が養われ、シンプルなものにたどり着く。そこでMUJIの価値が分かり、MUJIでもいいんだ、というような形になったと思う。我々は日常的に使うものを販売している。それが本来必要な機能を満たして、デザインが優れて、品質がよくて、価格合理性があれば、購入される。

――中国での出店計画はどう考えていますか。

北京や上海など、1級や2級都市には、まだまだ出すつもりだ。上海にはすでに20店舗以上あるが、50店舗ぐらいは可能だと思っている。一方で、新しい都市、3級以下の都市にも、店を出していく。3級都市でも、MUJIの知名度は高く、消費者の購買意欲もある。この両面でやっていきたい。中国では2016年に40店舗出店し、いよいよ200店舗に達する予定だ。2015年は純増数が32店だったが、2016年は40店舗、2017年以降は50店舗へ出店スピードを上げていく。

2015年2月期末では海外301、国内401だったので、国内と海外でちょうど100店舗の開きがあった。中国の出店拡大もあり、この差はだんだん縮まっていき、2018年か2019年には海外の店舗数が国内を上回るだろう。

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