今晩作りたい「スタンディングねぎ鍋」の秘密 ミルフィーユ鍋に続くトレンド鍋へと拡散中

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ミルフィーユ鍋が人気な理由を分析すると以下が考えられる。

・豚バラ肉と白菜2つの食材で完成する「材料の少なさ」と「簡単さ」

・食材が重なって出来る、ほかの鍋にはない「迫力あるビジュアル」

・ミルフィーユなのに鍋である「ネーミングのインパクト」

そして、何よりも外せなかったのは「おいしさ」である。この条件を満たしたからこそ、ミルフィーユ鍋は、新定番の座を獲得したのである。

インパクトのある見た目。Twitter上でどんどん盛り上がっていった(上の画像をクリックするとクックパッドのレシピにジャンプします)

2015年2月、クックパッド編集部は新たな鍋トレンドを生み出すべく、レシピ分析・検索キーワード分析などの調査を行った。そしてクックパッドニュースの1本の企画として、筆者が注目したのが「スタンディングねぎ鍋」だった。

当時クックパッドに投稿されていた約180万レシピの中から、ミルフィーユ鍋がヒットした背景にある「材料の少なさ」と「ビジュアルのインパクト」の条件をもつレシピを探し始めた。でもクックパッドにあるレシピはとにかく大量である。そこで、検索窓に材料名ではなく、「ビジュアル」という言葉を入れてみた。すると、ねぎと牛肉だけの2つの食材で作ることができ、切ったねぎを立てて並べ、周りを牛肉で囲うというこの鍋レシピを見つけることができた。

Twitterのハッシュタグでどんどん拡散

当初、このレシピは「ねぎ鍋」という名前だった。そもそもねぎを立てて食べる鍋は調べてみるとこれまでにもあったようだ。そんな食べ方を今の条件に見合うべく広めるためには、ヒットに不可欠な新たなネーミングを考えなければと思った。鍋の形状をできるだけ端的に表し、聞いた時につっこみたくなる名前とは何か? 配信の5分前まで悩みに悩み、「スタンディングねぎ鍋」と名付け、記事を配信した。配信後、レシピ作者シバメさんもこの名前を気に入ってくれ、レシピ名も変更された。

記事を配信するとすぐに大きな反響があった。まずクックパッドの中で「スタンディングねぎ鍋」というキーワードが検索ワードランキングにランクインする。配信後、このレシピのつくれぽ(「つくりましたフォトレポート」の略)の投稿が相次ぎ、配信前は4件だったが、現在は131件にまで増えている。

クックパッドでも大きな反響があったが、実は最も反応があった場がTwitterだった。配信直後、記事を読んだ読者が記事をリツイートしながらTwitterでハッシュタグをつけ、ネーミングやビジュアルにつっこみを入れながら、作ってみたいというつぶやきを投稿していった。

翌日には実際に作った人が写真をアップし始めた。中には作ってみた体験を4コママンガにして投稿する人もいた。その後、バレーボール選手の木村沙織選手が作ったことを写真付きでつぶやいたり、テレビ番組などでも紹介されたりと、ネットという枠を超えてどんどん盛り上がっていったのである。

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