今晩作りたい「スタンディングねぎ鍋」の秘密 ミルフィーユ鍋に続くトレンド鍋へと拡散中
クックパッドからTwitterへ、この記事はSNSで、そしてほかのニュースメディアへと連鎖をし、さらにテレビへと展開され、トレンド鍋へと成長していった。1年経った今もなお、Twitterには、スタンディングねぎ鍋を作っている人のつぶやきと写真が毎日投稿されている。その投稿をみてみると、ベースの2食材に自分で食材を足したり、元のすき焼きベースの割り下を豆乳にアレンジしていたりと、作り手が工夫を重ねていた。拡散後もメニューは人々に作り続けられ、そして独自に進化をしていたのだ。
浮かび上がる食トレンドのキーワード3つ
ヒットするメニューから何を読み解くべきか。それは人々の料理に対するニーズである。ミルフィーユ鍋なら、「豚バラと白菜の食材が人気である」だけではなく、「インパクトや材料の少なさ」が求められている。そこには時短や、飽きを解消する見た目が求められていたのだ。そのニーズに合致するものでないとレシピの人気は育たないのだ。
そうして振り返ると、最近の食トレンドで共通するある条件がみえてくる。それが以下の3つである。
トレンドの条件1:時短&簡単
家事や子育て、仕事と忙しい女性にとって「簡単であること」はもはや必須条件。ただし、材料が少ないのに華やか。工程や調理などが楽なのに見た目がいいなど、「手抜きに見えない」ことがポイントだ。
トレンドの条件2:自分らしくアレンジができる幅がある
最近の料理トレンドに欠かせないのがSNS。料理したことを写真と共に投稿する人が多いが、その際レシピ通りではなく、自分なりの工夫を加えることで自己表現につながり、人々の投稿意欲を刺激する。発案者の一方的な提案ではなく、アレンジの余白があるメニューがウケる傾向が強い。
トレンドの条件3:キャッチーなネーミング
こちらもSNSの影響であるが、ハッシュタグからトレンドが広がるケースが増えている。SNS隆盛期ならではの新しい食トレンドの生まれ方といえよう。メニュー名のキャッチーさが不可欠。一度聞いただけでは一瞬わからないが印象的なため、何だろうと興味を持つ。カタカナだけの知らないような名称ではなく、ひらがなや漢字も入ったこれまでなじみのある言葉をもじったワードが人気である。SNSなどこれまでになかったアイテムからのメニューの拡大が広がっているのが特徴だ。
昨今の食トレンドに欠かせないのがネットの力だ。注目されるメニューはネットの力の後押しを受けて拡散し、トレンドから定番になっている。さらに、クックパッドのつくれぽやTwitter、InstagramなどSNSなどをはじめとするウェブメディアの台頭によって、市井の人からのアイデアやレシピが世間を明るくすることも増えてきた。もはや一億総料理研究家時代だといえよう。
私たちメディアもメニューの誕生背景や材料・調理工程からニーズを読み取り、これまで以上に作り手の課題を解決するメニューを提案していく必要がある。時短という願いを叶えてくれる究極メニュー、鍋。作り手が生み出す新たなトレンドにこれからも注目したい。
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