「SurfaceBook」は何のためのパソコンなのか マイクロソフトが高額パソコンを作る理由
Macは個人向けに強いだけでなく、ラインナップが1000ドルを超える単価の高級パソコンで占められている点も大きな特徴だ。アップルにとって主役の事業はiPhoneだ。そのため目立つこともなく、あまり注目されないMac事業だが、実はその足場はきわめて強固と言える。
今回の記事はマイクロソフトが主役と書いておきながら、このような話を冒頭でするのは、この市場における状況をマイクロソフト自身が危惧し、製品戦略へと反映したと明言しているからだ。
アップルに対抗するプレミアム機
昨年10月、マイクロソフトがSurface Pro4とSurface Bookを日本で初披露した際、Surfaceのマーケティングを担当するジェネラルマネージャーのブライアン・ホール氏を取材した。その取材で、ホール氏は「アップルが持つプレミアムパソコン市場におけるWindowsの存在感を示すために、Surface Bookを開発した」と話した。
Macのシェアが伸びているのは、新興国の平均所得が増え、高価な製品を購入しやすくなってきた点が大きい。所得の増加によって高級パソコンに手が伸びるようになり、それに伴ってMacのシェアが伸びている。今後もこの傾向は続くだろう。
ところがWindows搭載機の平均売価は依然として下がり続けている。日本ではVAIOが高付加価値パソコンへのフォーカスを明確にしているが、グローバルに見るとNECを含むレノボグループが、低価格路線と高付加価値路線を明確に分けて展開している例を除き、”プレミアム”と呼べるような商品開発は行われていない。
Surface Bookという製品が発表されたとき、その価格の高さ(日本での価格は20万4800~34万4800円)にも注目が集まったが、なにより話題になったのは、その特徴的なヒンジ構造などメカ設計の美しさや高級感溢れるデザインと妥協のないスペックだった。
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