「SurfaceBook」は何のためのパソコンなのか マイクロソフトが高額パソコンを作る理由
アップルが3月15日のスペシャルイベントで発表する「新しいiPhone」は、4インチ画面の小型機と噂されている。現在の大画面のiPhone 6シリーズでは受け止めきれない裾野部分をフォローアップするための製品というわけだ。前回の記事『アップルが「iPhoneの次」に狙っていること』では、このようにアップルが隙間なくラインナップを埋めた上で、各製品をより密に結合することにより、各製品の価値を拡げ、顧客体験を高めるようジワジワと足元を固めている様子についてお伝えした。
一方、パソコンを中心にWindowsプラットフォームを提供しているマイクロソフトは、何をしようとしているのだろうか。後編ではマイクロソフトを主人公に話を進めていくことにしよう。
落ち込んでいる存在感
言うまでもないことだが、これだけアップルが成長した現在でも、パソコンのプラットフォーマーとしては、Windowsを擁するマイクロソフトが圧倒的なユーザー基盤を持っている。
ただし、市場における存在感という意味で”退潮”であることは数字からも明らかだ。IDCが発表したデータによると、2015年のパソコン市場において出荷台数を増やしたのはアップルだけだ。アップルのシェアはレノボ、ヒューレット・パッカード(HP)、デルに続く第4位で、1.2ポイントアップの7.5%のシェアを獲得した。アップルの出荷台数は約120万台増の2079万4000台である。
ところがトータルの出荷台数は200万台ほど減少している。昨年はWindows 10の提供が始まったにもかかわらず、だ。
アップルは第4位といえども、上位のレノボ、HP、デルは法人向け需要に強い。個人向けの販売に強いアップルは、一般消費者の目からみると、7.5%というシェア以上に大きな存在といえるだろう。
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