「SurfaceBook」は何のためのパソコンなのか マイクロソフトが高額パソコンを作る理由
ディスプレイ部とキーボード部は電磁アクチュエータで動作するロック機構(マイクロソフトは”マッスルワイヤー”と呼んでいる)で接続されており、切り離してタブレット端末として使えるほか、裏表反対に装着することでGPUやバッテリーを活かしつつ、1024段階の高精度なペンタブレット機能を活かした操作も行える。
3000×2000画素を持つ3対2の液晶パネルは、実に美しい。3対2という、一般的なパソコンよりも高さ方向のサイズが大きい縦横比のため、13.5インチというサイズながら15インチクラスのノートパソコンに近い縦方向の大きさが確保されている。
ここで”美しい”と表現しているのは、スペック上の数字が大きい、あるいはより鮮やかな色を表示できるという意味ではない。きちんと色再現特性を調整して出荷されているという意味だ。コントラストも高く、カバーガラスから表示部までの厚みも最小限にされている。
バッテリー持続時間は約13時間
その上で、上下を組み合わせたSurface Bookの重さは約1.57キロ。おおよそMacBook Proの13インチモデルと同等で、タブレット部だけで使う場合(マイクロソフトはクリップボードモードと名付けている)は約726グラムと軽量に仕上げた。
バッテリー持続時間は約13時間だが、実際に筆者が使った感覚でも10時間ぐらいは余裕で使える印象だった。
キーボード部は、いわば”ドッキングステーション”のような位置付けだが、バッテリを内蔵しているため、物理的な安定性は高くなる。そのため後ろに倒れ込むようなこともない。ただし、クリップボードモード時のSurface Bookにはオーディオ出力端子以外に、何も外部機器を接続するインターフェイスはなく、電源を接続する端子もない。あくまで一時的な利用に留まるモードと考えた方がいい。クリップボードモードでのバッテリー駆動時間は、おおよそ3時間程度しかない。
とはいえ、とても切り離しが可能とは思えないほど一体化したSurface Bookのデザイン、高性能を実現するためのGPU搭載とタブレットの軽快さを両立させる仕掛けは、今後のパソコン設計に一石を投じるだけの気合いを感じさせる。キーボードの打ち心地もよく、マイクロソフトが狙う”上質なパソコン”としても充分な風合いを備えている。
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