広告若手・中堅社員の本音トーク! 華々しい業界も今や昔? タクシー券全面禁止…ヤバいです《広告サバイバル》
Aさん 大手広告代理店に勤務。国内有名企業のPRを担当
Bさん 大手広告代理店に勤務。メディア部門に所属。テレビ局担当
Cさん 大手広告代理店に勤務。営業部門。担当は外資系IT企業
Dさん インターネット専門の広告会社に勤務。メディア担当
Eさん 大手広告代理店に勤務。営業部門。担当は情報関連企業
A 昨年秋のリーマンショック以降、自動車業界の広告投下の落ちはすごいですね。トヨタ自動車が広告費を3割カットしたというけど、実際には半減に近い感じで、戻る様子はまったくないです。
B テレビのCM枠がなかなか埋まらない。「トヨタさんが出さないなら」と広告予算を削る企業が増えて……。特にタイヤなど自動車関連の落ち込みがきついです。かつては枠を取るのに1カ月以上前に発注しなくてはいけなかったのに。今では最悪1週間前でも取れてしまう状況。
テレビ局側も枠を埋めるために値下げしているから、結果的に枠は埋まっていても、売り上げは前年の8割くらいに下がったりと、負のスパイラルが続いてます。
C 番組提供表示が付くタイムCMの落ちが顕著ですね。タイムCMは2クール、6カ月間の単位で買うのが原則だけど、企業は今、固定費を嫌うから。以前は入れなかったような人気番組でも枠はどんどん空いていて、3年くらい前とは大違い。
B 枠が埋まらないから、番組宣伝やテレビ局のPR広告が増えている。あとはAC(公共広告機構)。ACは空き枠を埋めるだけじゃなく、不祥事が起きて広告停止するときの差し替えにもよく使われていて、最近だとSMAP草なぎクン事件のときにフル活用された(笑)。
C あと、表だっては言えないけれど、広告代理店が空き枠の一部を自腹で負担することもあるよね。
A 最近、予算が増えているのはPR。クライアントも広告が効かなくなっているという認識があって、PRでニュースを作って広告化することに興味を持っている。だけど、PRは広告に比べて費用が少なくて済む、という理由も背景にあるから、広告全体の予算は削られる一方。