ホークスが今「巨大な2軍施設」を作る理由

総工費50億円、「筑後ファンクラブ」も新設

ホークスはこれまでも、内川選手や松坂投手をはじめ、他チームで活躍した選手や海外からの大型補強を行ってきた。補強には選手自身の活躍はもちろん、在籍選手、特に若手にとっての「越えなければならない壁」として、成長への大きな刺激となることが期待される。

一方で、ドラフトや育成から「5年後に活躍する選手」を育てる仕組み作りも、大きなテーマの一つだ。2011年からは3軍制を導入して若手の実践の場を増やすなど、選手育成への取り組みも強化している。

ファームで鍛えられた若手が活躍することで、たとえレギュラーといえど「いつ取って代わられるかわからない」という状況が生まれる。その緊張感も、今のホークスの強さを支える大きなファクターといえそうだ。

総工費50億円、新施設の全貌

メインスタジアムの外観(2016年1月撮影)

しかし、育成強化には大きな障壁があった。本拠地としていた雁ノ巣のグラウンドは老朽化が進んでいることに加え、国有地の上に福岡市の施設が建つという複雑な権利構造で、球団自身による改修ができない。合宿所からは約7キロ離れており、ナイター設備もなく、近隣が住宅地のため夜間の自主練習も叶わない状況だった。

さらにはサブグラウンドもなく、3軍の試合はその都度、近郊の球場を借りて行っていた。何より野球に打ち込みたい若手選手にとって、とてもじゃないがベストな環境とは言えないだろう。

今回新設される『HAWKSベースボールパーク筑後』には、球団が考える理想の育成環境が整備される。テーマとして掲げたのは「1・2軍が同じ環境で練習できる」こと。土地は筑後市から20年間無償貸与され、球団が施設の建設を行う。総工費は約50億円だ。

メイン球場となる『タマホーム スタジアム筑後』は、1軍本拠地『福岡 ヤフオク!ドーム』と同規模(両翼100m・中堅122m)で、人工芝やナイター照明6基を備える。

サブ球場もグラウンド面積はメイン球場と同じ。さらに日本最大の屋内練習場(ブルペン6箇所・バッティングマシーン4レーン)を併設し、最新のIT技術を導入したトレーニング施設も完備。1軍選手の練習にも対応できる充実した設備になる。

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