ホークスが今「巨大な2軍施設」を作る理由 総工費50億円、「筑後ファンクラブ」も新設

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今回のファーム誘致には、「地域活性の起爆剤」として地元の期待も大きい。球団広報によると、候補地選考においては自治体と地元住民の「ホークスを筑後へ」という熱い想いも決め手となったという。

「筑後七国」の力を結集した誘致活動

地域包括連携協定締結式には筑後市の中村市長や球団の太田専務に加え、水上2軍監督と石渡3軍監督も出席

誘致決定後、筑後市は約14.5億円をかけて民有地の取得と土地の造成を実施。1月18日には筑後市と球団の間で「地域包括連携協定」が締結され、スポーツ振興や観光振興、情報発信等においての相互協力を約束した。

今後は選手による野球教室開催や地域スポーツイベントへの選手の参加、試合時に本拠地内で市の観光・特産品PRを行うことなどが予定されている。

誘致活動においては筑後市・柳川市・八女市・大川市・みやま市・三潴郡大木町・八女郡広川町の5市2町からなる「筑後七国」の協力体制が組まれた。筑後市自体は企業誘致の成功もあり人口が増加しているものの、全体として人口減少・高齢化が著しいこのエリアで、地域の特色をいかにファームの活動と絡めていけるかが、今後の大きな課題になるだろう。

今回のファーム本拠地新設は、これまで野球ファンではなかった地元の人達など、新たなファン層の獲得にもつながっているようだ。筑後市民の若い女性に話を聞くと、建設工事の進捗をすらすらと説明してくれた。「わが街のファーム」への期待は、すでに高まっている。

(写真:(C)SoftBank HAWKS)

田中 純子 ライター

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たなかじゅんこ / Junko Tanaka

福岡在住のライター。旅行業界、インテリア業界を経験後、情報誌のディレクターとして九州各地を担当。その後、医療機関の広報誌編集を経てフリーランスに。現在、「いつまでも輝き続ける生き方」をテーマに、学び・仕事・ライフスタイルを中心とした「心のアンチエイジング」を研究中。また、地方の伝統文化について海外に情報発信することを目標に、英語の再学習にも取り組んでいる。

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