意外な感じがするのが3位のホンダだ。若いイメージのある同社だが50代比率は44.3%と高い。全社員22,954人中50代が10,177人。このうち女性はわずか285人。失礼を承知で言うと見事なまでの「おっさん会社」なのだ。
こういう男性中心の会社はこのご時世において何かと批判されやすい。「男性ばかりの職場はダメだ」、「女性管理職を増やせ」、「ダイバーシティができていない」などなど。
確かに、同社の女性活用は後れが目立つ。直近でも女性管理職比率1.0%、女性部長は男性200人に対してわずか1人の比率0.5%。実はこれでも自動車業界では平均的なのだが、同じ製造業の化学や電機の先達企業と比べると周回遅れといってもよい。
だが、企業業績となると話は別だ。苦しんできた電機メーカーと違いホンダの業績は好調。2015年3月期は過去最高の連結売上高(12兆6,467億円)を達成。20年前の1985年2月期の売上高2兆6,521億円から約5倍になっている。純利益も高水準で2008年3月期に最高益6,000億円を達成し、さらにこの更新も視野に入りつつある。
50代のおじさん達が会社を大きくした
このようにホンダは今いる50代のおじさんたちが若者だった頃から先輩たちと一緒に大きく成長してきたことがよくわかる。
さて、企業業績を考えた際に女性が多いことが必ずしも好業績につながるわけではない。逆にこれまでは「男性」だけの集まりで昼夜を問わず働き、高い成果を上げてきたケースも少なくない。同社もかつてはそのひとつだったのかもしれない。
しかし、50代社員が入社した1980年代と現在では社会環境が大きく異なる。子育てや介護などで男性がすべての時間を仕事に注げる環境ではなくなった。会社には男女問わず常識的な働き方で戦力化することが求められている。男性中心のやり方は今後も続けることは難しそうだ。
会社も十分わかっていて危機感があるのだろう。特に少ない女性を活用しようという取り組みを積極的に行っている。たとえば、女性従業員のキャリアサポートや日祝日の稼働日に未就学児を対象とした一時保育を全国9カ所で実施するなど女性を意識した制度導入が進められている。明らかにこれまでと違うタイプの社員を増やそうという変革期にあるようだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら