2015年版のCSR企業ランキングもいよいよ後半。今回は金融機関と未上場企業を対象にした金融機関・未上場CSR企業ランキングを紹介する。いずれも財務データを除いた形でランキングを作成している。
まずは金融機関上位30社だ。
1位は損保ジャパン日本興亜ホールディングス(281.2点)。人材活用93.4点(全体21位)、環境93.0点(同29位)、企業統治+社会性94.8点(同28位)といずれも高得点。
短時間・在宅などの勤務制度も充実
同社は活動のマテリアリティ(重要性)に「安心・安全・健康に資する商品・サービスの提供」、「金融機能を生かした社会的課題の解決」を挙げ、本業に関係するCSR活動に力を入れている。
顧客が自動車保険加入時にWeb約款への選択や自動車事故の修理時にリサイクル部品等を活用することで、同社が寄付し全国のNPOや地域住民と協働で環境保全イベントを開催。海外でもブータン王立保険公社への技術支援を通じて、同国の経済発展と日本国との友好関係の深化に貢献している。
気候変動による自然災害増加は事業活動に直接的な影響があると考え、地球環境保全の取り組みにも力を入れる。環境会計の作成による「見える化」や全国7カ所での森林整備活動や環境教育への展開も行っている。
妊娠・育児・介護を目的とした短時間勤務制度、2012年度から全部門で制度化された在宅勤務制度、半日単位の有給休暇制度などの働きやすさの各種制度は充実。ただ、2013年度の有給休暇取得率50.2%や男性の育休取得者9人(うち8人が1週間以内)とワーク・ライフ・バランス関連はこれからといったところも多い。
女性の活躍度合いを見てみよう。全体の女性比率は47.4%と高いものの女性管理職比率4.1%、同部長比率0.5%と女性活用は遅れている。女性管理職比率は2015年度末10%、2020年度末30%と高い目標を掲げる。女性従業員向けには、各層への研修に加え、課長クラス全員にメンター制度を導入するなど幅広い取り組みを行う。これらで「掲げる高い目標」を実現できるか、注目が集まりそうだ。
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