金融・未上場版「CSR企業ランキング」2015

金融1位は損保J日興、未上場のトップは?

1位は昨年に引き続き富士ゼロックスで総合得点は280.0点。人材活用92.1点(同29位)、環境94.4点(同20位)、企業統治+社会性93.5点(同41位)だった。

もっとも高評価なのは環境。環境データの開示はもちろん、エコマークなど第三者審査を受けた環境ラベルの実施、事業所での太陽光発電の導入といった幅広い活動を行っている。

CSR調達にも積極的だ。取引先が自主的にCSR活動を取り組めるようマネジメント・ガイドラインやCSRセルフチェックリストを展開。専門チームが取引先を訪問し改善活動支援を行うなど、自社だけでないサプライチェーン全体での活動を推進する。さらに、経営層がCSR会議で定期的にリスクマネジメント上の重要テーマについて議論し意思決定するといった先進的な体制も整えている。

さらに、従業員・退職者が運営するボランティア団体「端数倶楽部」を通じて、80カ所以上のNPO・NGOに資金支援をするなど社会貢献活動は活発。こうした取り組みで企業統治+社会性も高評価だった。

2位サントリーは「個性的」

2位はサントリーホールディングスの276.1点。人材活用92.1点(同29位)、環境94.4点(同20位)、企業統治+社会性89.6点(同104位)だった。

マテリアリティは、「『水のサステナビリティ』と環境負荷低減による自然との共生の実現」、「『利益三分主義』に基づく生活文化の豊かな発展と次世代育成への貢献」、「『やってみなはれ』を発揮できる人材育成とダイバーシティ推進」、など個性的な内容が並ぶ。

最も高い環境では水を多く使う企業としての幅広い取り組みが目立つ。2003年から工場の水源涵養エリアを中心にサントリー「天然水の森」を設定してきた。現在、総面積7600haで多種多様な動植物の生息する豊かな森作りを行う。さらに水の大切さを伝える次世代環境教育プログラム「水育」(みずいく)で「森と水の学校」「出張授業」を柱に展開。事業活動に大きく影響する「水」に関する社会課題解決を積極的に推進している。

3位はソフトウエア開発大手の日立ソリューションズ。総合得点は272.4点。人材活用93.4点(同21位)、環境88.7点(同86位)、企業統治+社会性90.3点(同90位)だった。女性が子育てしやすい環境の充実などで人材活用が高得点となった。

産児休暇(産休)は産前・産後8週間、育児休業は最長で「通算3年可能」と法定を上回る。育児・介護の短時間勤務制度では、4・5・6・7時間から勤務時間を選択でき、さらにコアタイムなしのフルフレックス勤務も可能だ。育児・介護用の在宅勤務制度や病時・病後時保育料の半額補助制度に加え、通算1年可能な不妊治療休暇制度もある。

子育て制度だけではない。残業が多くなりがちなソフトウエア業で長時間残業者への問診・面談、血圧・血糖値等による勤務制限、メンタルヘルスの教育研修など従業員の健康を重視する制度を取り入れる。

このようにワーク・ライフ・バランスを重視する制度は同業他社に比べて一歩抜きんでている。

4位も同じく日立グループの日立システムズで258.4点。人材活用81.6点、環境85.9点、企業統治+社会性90.9点という内訳だ。

以下、5位トヨタ車体(258.2点)、6位NECフィールディング(253.9点)、7位NECソリューションイノベータ(249.3点)と続く。

8位は外資系のサノフィ(234.0点)。全体で53位の人材活用89.5点で高い評価となった。他に9位アジレント・テクノロジー(231.8点)、10位日本IBM(229.9点)と外資3社が並ぶ。

アイエスエフネットが健闘

未上場とはいえ大企業が多い中、ITサービス・人材派遣などを展開するアイエスエフネットが12位(208.6点)にランクイン。昨年17位から順位を上げた。同社は障害者雇用に積極的として知られ障害者雇用率は11.52%とトップクラスなどで、人材活用は90.8点(同41位)と高得点だ。

女性障害者の活躍の場として、福島で「匠カフェ」というカフェ形態での展開も進める。さらに、川崎市包括連携協定で「生活保護受給者100人の雇用創出」を行うなど地域社会で自社の事業を生かす取り組みを積極的に実施している。

さて、今月開始する「2015年東洋経済CSR調査」を基に作成する「第10回CSR企業ランキング」では、未上場企業も総合ランキングの対象にする予定だ。ただ、現在の財務評価に使っている指標の開示が条件となる。さらに、金融機関の財務評価も進めている。第10回ランキングに間に合わせることは正直難しそうだが、数年内に全上場企業・未上場を同じ基準で評価をするという弊社の目標に向けて、着実に進めていくつもりだ。

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