吉報!腰痛を防ぐ唯一の方法がわかった

腰痛ベルトや矯正シューズはほぼ無意味

すると、治療するグループとしないグループに患者を無作為に割り付けて実施した緻密な研究は驚くほど少なかった。しかし、6000以上の研究を分析した結果、秩序立った確固たるものが23例あった。それらの研究をすべて合わせると、3万人以上の腰痛患者を対象に実験が行われている。

今回の調査の対象となった予防法には、ライフスタイルの変化についての学習、矯正用の靴、腰痛ベルト、さまざまなタイプのエクササイズ、腰痛予防の学習を含んだエクササイズなどが含まれた。

調査では、1年かそれ以上再発を防いだ方法もしくは、腰痛が原因で労働時間の損失がなかった方法を、効果があると認めた。 

結果、効果があったものは残念ながらごくわずかだった。腰痛予防について学ぶだけでは、再発を防ぐ効果は基本的にないことが調査で明らかになった。腰痛ベルトと矯正靴もほぼ効果はなく、どちらかを使用した患者は1年以内に再発する傾向が見られた。

エクササイズで1年以内の再発リスクを半減

しかし、エクササイズは、学習的な要素を含むものもそうでないものも予防の効果があることがわかった。

調査を率いたジョージ国際保健研究所のクリス・マー教授は、エクササイズがもたらす予防効果は非常に大きいと言う。「学習と組み合わせたエクササイズは、1年以内の腰痛再発のリスクを45%減少させた。つまり、リスクをほぼ半分にしたということだ」

興味深いことに、エクササイズの内容は問題ではない。分析した実験の中には、体幹と腰の筋肉強化に集中したプログラムや、より一般的な有酸素運動と筋力トレーニング、バランストレーニングを組み合わせたものもある。ほとんどの実験では、患者に週2、3回、指導者をつけたエクササイズを2カ月間ほど続けてもらうというもので、そのうち学習プログラムも含むものは2、3例だった。

調査の結果、腰痛の経験がある人が一般的な方法でエクササイズをすると、1年以内の再発の可能性が大幅に減少していた。ところが、予防の効果はその後、徐々に薄れ、1年を過ぎると再発するケースが多かった。実験に参加した患者の多くがエクササイズをやめてしまったことが原因と考えられると、マー教授は指摘する。

有効な証拠に基づけば、長い目で見てエクササイズが腰の健康を促進するのか、また、あるタイプのエクササイズが他のタイプよりも効果が高いのかはいまだに明白ではないとマー教授は言う。調査チームは今後、さまざまなプログラムを直接比較し、何年にもわたる追跡調査を実施したいと考えている。

現時点では、「腰痛の予防法として今あるすべての選択肢の中で、エクササイズは効果が証明されている唯一の方法だ」とマー教授は言う。

腰痛防止に効果があるエクササイズの具体例を尋ねると、マー教授はひとつ挙げた。学術誌『フィジカル・セラピー』に発表された1991年の研究で実践されたエクササイズ療法だ。ただ、それが推奨する1990年代のスウェディッシュポップのBGMを使うかは、あなた次第だ。

(執筆:Grentchen Reynolds記者、翻訳:前田雅子)

© 2016 New York Times News Service

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