ピーター・T・グラウアー ブルームバーグ会長--金融市場縮小の今こそアグレッシブに攻める

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--厳しい情勢の中、大幅な投資はリスクが高いと思われますが。

そうとは考えていない。なぜならブルームバーグは財務体質が強固で、キャッシュフローも潤沢だからだ。過去の歴史から見てみても、今はかつてないチャンス。こういったときは大胆に出るべきで、市場の弱い部分を活用、利用していきたい。01年のIT不況時も同じような戦略をとってきた。われわれにはチャンスを生かせる能力があると判断したから決断をした。市場に対するアプローチはつねに長期的な観点で考えており、投資計画には自信を持っている。

--投資先は中国やインドなど新興国に重点を置くのでしょうか。

先進国、新興国を問わず重視していくが、経済の拡大とともに金融市場が発展していくことを考えると、新興国は長期的に見て大きなチャンスがある地域だ。ちょうど今、インド、ロシア、ブラジルでの展開計画を決定するところだ。

--トムソンとロイターが合併して、トムソン・ロイターが誕生しました。ブルームバークはこの強力な競合相手をどう見ていますか。

競合他社の話をするのは好きではないが、トムソン・ロイターはよき競争相手だと考えている。しかし、競争力では、われわれのほうが優れている。ブルームバーグはあらゆるサービスをまとめた形で、価格も一つ。対するトムソン・ロイターのサービスはアラカルト的で、いろいろな価格設定がある。この複雑な市場環境の中で、顧客は多様な情報を素早く得たいと考えているはずだ。統合的なブルームバーグのサービスに、よりニーズがあると思っている。

--金融情報以外の新たなサービスを進めているようですが、具体的な内容を教えてください。

ターミナルの新サービスとして、今年8月から提供を開始する、「ビー・ロー」と呼ばれる法律業界向け商品がある。また、年末までに米国内で商業用不動産向けのサービスを開始する。さらに「プロジェクトアルファ」と呼ばれるポートフォリオ分析やリスク管理機能を内蔵した新商品も用意している。

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