「駅員への暴力」が増えている原因は何なのか 加害者の2割は酔っ払いではなかった!

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駅員など鉄道係員への暴力行為はなくならない。鉄道各社は暴力行為の防止を呼びかけている(写真:しん/PIXTA)

「頭突きしてケガをさせる」「ネクタイを引っぱる」「ビールをかける」これらはすべて暴力です!――。昨年12月7日から、鉄道係員への暴力行為防止を呼び掛けるポスターの掲示が一斉に始まった。

全国の鉄道の駅構内や車輌内に掲示されていたので、目にしたことがある読者は少なくないだろう。このポスターは毎年7月と12月に改訂されており、冒頭の文言は最新版のキャッチコピーである。ちなみに昨年7月に改訂された1バージョン前のものは、「突き飛ばす」「殴ってケガをさせる」「モノを投げつける」だった。

ポスター改訂とほぼ同時に鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況のデータも開示されている。毎年7月に日本民営鉄道協会(以下、民鉄協)加盟会社とJR6社、東京都など公営鉄道局5局などの合計数値が開示されているほか、民鉄協は12月に上半期(4~9月)のみのデータも開示している。

殴る、蹴る、突き飛ばす…

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毎年200件程度の暴力事件が発生している

7月のデータは毎年集計対象の鉄道路線数が増加しているので、時系列での比較には向かないが、民鉄協は2000年以降の15年間の総件数と上期、下期の内訳も開示している。

これによると、2014年度(2014年4月~2015年3月)の発生件数は226件。このうち上期は125件で下期は101件。2015年度上期は前上期から20件減って105件。首都圏と関西圏の主要私鉄16社全部で半年で105件ということになり、1社あたり半年で6件。1社あたり大体1カ月に1件という計算になる。

1社で複数の路線を持っている会社もあるので、肌感覚からすると随分少ない。その原因は、「暴言を吐いただけだとカウントされない」(民鉄協)ことに加え、「加盟各社から情報を吸い上げるにあたり、厳密な判断基準を明示しているわけではないので、微妙なケースは各社の判断次第」(同)。各社ごとに現場情報の収集程度や本部との共有の度合いにも差はあるだろう。

それでも鉄道係員を殴る、蹴る、突き飛ばす、頭突きを喰らわすなどという行為がこれだけ発生しているということ自体、何とも情けない。

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