盛況「1000円高速」の波紋、国土交通省の早すぎる翻心

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 小泉政権の下で民営化された旧日本道路公団は、05年10月に東日本、中日本、西日本の3社に分割され、首都高速道路公団なども株式会社に衣替えした。高速道路資産とそれに伴う債務は、新たに設立された独立行政法人の日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)が保有し、貸付料と引き換えに道路資産を高速道路会社6社に貸し付けるという形に変わった。 

崩れた受益と負担の関係 検証難しい超長期計画

下図のとおり、高速道路の料金収入は高速道路6社が受け取り、管理費を除いた残りを貸付料として高速道路機構に支払う。高速道路機構は、機構自身の管理費と支払金利を除いた分を債務の返済に充てる。重要なのは、債務返済の原資に充当するのは、管理費や支払金利を除いた高速道路料金であり、税金は使わないという点。利用者が支払う料金で、高速道路の建設、維持費を賄うという、受益と負担の関係をはっきりさせたことだ。こうしたやり方によって約45年間で63兆円余り(民営化時の債務41・6兆円と今後建設される新規路線に伴う債務22兆円の合計)分の債務を返済することが決められたのだ。

だが、今回の料金値下げで、債務返済原資の一部に税金が充当され、受益と負担の関係は崩れた。昨秋の値下げに2・5兆円(財源は一般財源)、今年3月からの値下げには5000億円(財源は財政融資資金特別会計の金利変動準備金)、合計3兆円の税金が高速道路機構の抱える債務を肩代わり返済するという形で投入される。

国交省は「今回の税金投入は道路を建設するためではなく、料金引き下げのためのもの。今ある債務をきちんと償還するための税金投入で、税金を入れないという民営化の趣旨には反しない」(有料道路課)と説明するが、事後的にせよ、債務返済の原資に税金が充てられていることに変わりはない。 

 

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