シャープ再建策、革新機構とホンハイが拮抗 問われる説明責任
ただ、機構案は、普通株の減資や株式併合などの株主責任が盛り込まれておらず、損失負担の順位が後回しになるはずの銀行保有の優先株や貸出金が先にき損される内容となっている。
このため銀行団の中には「優先劣後関係がないがしろにされ、銀行の株主や社外取締役に対して説明が付かない」(幹部)との不満が存在している。「29日の革新委員会で、銀行の同意を取り付けるのは難しいのではないか」(別の幹部)との見方も出てきた。
求められる透明性と説明責任の確保
革新機構は29日に再建案を決定した上で、シャープに対する支援を正式に申し出る。ホンハイも近く正式な提案を出すとみられる。
「シャープのケースは、日本の市場や日本政府が、内外無差別であるのかどうか問われる試金石になる」――。ある外資系証券の幹部は、こう話す。
環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意で市場を大きく開くことを決めた日本政府。外資による日本への投資を増やす政策も打ち出した。
「経産省が後ろについてる機構案の優位は揺るがない」(銀行幹部)との声は強い。しかし、「どちらになるにせよ、説得力のある説明によって、決定が下されなければ今後の外資による日本への投資や買収には、ネガティブな影響をもたらすのではないか」(先の外資系証券幹部)との懸念が残りそうだ。
(布施太郎 編集:田巻一彦)
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