「日本電産がルネサス買収へ大勝負」説の真否 買収王、永守社長の見立てはいかに?

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数多くの買収を成功させた永守社長。「M&Aはソフトバンクグループの孫正義社長より上」と自負する

「全然そんな話は知りませんね。報道されるのは勝手だが、何も決まったことはない」――。

1月21日に開かれた日本電産の2015年度第3四半期(4~12月期)決算会見で、それまでよどみなく質問をさばいていた永守重信社長兼会長だが、ある質問に限って言葉を濁した。

決算そのものについてではない。車載用を中心とした大手半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス株の取得についてだ。同社は官民ファンドである産業革新機構が約69%を保有している。昨年9月末からロックアップ(株式の売買禁止期間)が解除となり、保有株の売却を検討しているのだ。

11四半期連続の増益を記録

日本電産が同日発表した4~12月期の業績は好調そのものだった。売上高が前年同期比18%増の8953億円、営業利益は同16%増の939億円、純利益は同22%増の709億円。第3四半期にして、すでに前年の通期に迫る利益水準をたたき出した。連続増益記録は11四半期に及んでいる。

伸びを牽引しているのは車載向けモーターだ。ADAS(先進運転支援システム)関連部品や操舵をつかさどるパワーステアリング用に中型モーターの採用が拡大したことに加え、15年2月に買収完了したドイツのポンプメーカー、GPM社の連結が利益を押し上げた。

中国家電向けのモーター需要が想定以下で、スマホ向けのハプティックデバイスも納入先の生産調整により会社想定に比べて未達だったこともあり、期待されていた通期業績予想の上方修正は発表しなかった。

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