●ビジネスパーソンとしてのコツ
先のAさんのパターンから抜け出す工夫を考えてみよう。まずウィークデーには仮眠をするのだ。昼休みの食後に、5分でも10分でも机で寝てみよう。頭がすっきりして、機嫌がよくなり、仕事が進んで、ストレスが軽くなる。
次に早く帰ることを心がける。接待や締め切りでない限り、せめて23時には寝る準備ができるように予め退社時間を決める。仕事を途中にしたまま帰ることに抵抗を覚えるかもしれない。しかし、疲労した夜と元気な朝の仕事の能率は桁違いである。23時近くになったら部屋を暗くしていく。脳が眠る準備をするのを促すためだ。明るいままで寝るのは止めたほうがよい。
深夜のメールやインターネットは脳を覚醒させ、睡眠の質を下げるので勧められない。読むなら本や雑誌がよいだろう。深夜でも早朝でもメールの返事は始業後しか来ないのだ。
そして早起きするのである! 同じ5時間睡眠なら4時半には起床できる。宵っ張りより断然体調はよいはずだ。すっきりとした頭で、早朝の時間で、仕事があるなら自宅で仕事をするか、会社に早く行って仕事に取り掛かるとよい。自己啓発のために自由に使ってもよいだろう。
ワークライフバランスのためにも早寝早起きがよい。夕食には家族と食卓を囲み、話しをする時間ができる。早朝に起きて、仕事や好きなことをしても、気にする家族はいない。
流されれば夜型の睡眠になるし、意識的に睡眠時間をコントロールできれば朝型になれる。ストレス対処だけでなく毎日の活力にも大きな違いがでる。生産性の向上の要求は今後も限りないだろう。ビジネスパーソンとしては睡眠を大切に考えるべき時期なのだ。
次回以降には、同じ生活習慣に関する工夫として、不眠への対処や酒の飲み方を紹介する。
亀田高志(かめだ・たかし)
(株)産業医大ソリューションズ 代表取締役社長/医師(HP: http://www.uoeh-s.com/)
1991年3月産業医科大学医学部医学科卒業。日本鋼管病院勤務、NKK(現JFEスチール)産業医、日本アイ・ビー・エム(株)産業医、IBM Asia Pacificの産業保健プログラムマネージャーを経て2005年7月より産業医科大学産業医実務研修センター講師。2006年10月に産業医科大学による(株)産業医大ソリューションズ設立に伴い現職。企業のメンタルヘルス対策に関するコンサルティング、様々なメンタルヘルス研修会の講師に加えて、産業医科大学における企業向けメンタルヘルス対策支援事業を担当。
著書は『人事担当者、管理職のためのメンタルヘルス入門』(東洋経済新報社)。その他、日経ビジネスオンライン『事例で学ぶメンタルヘルスのツボ』、Work(リクルートワークス社)『健康経営のココロ』を共同執筆。
(株)産業医大ソリューションズ 代表取締役社長/医師(HP: http://www.uoeh-s.com/)
1991年3月産業医科大学医学部医学科卒業。日本鋼管病院勤務、NKK(現JFEスチール)産業医、日本アイ・ビー・エム(株)産業医、IBM Asia Pacificの産業保健プログラムマネージャーを経て2005年7月より産業医科大学産業医実務研修センター講師。2006年10月に産業医科大学による(株)産業医大ソリューションズ設立に伴い現職。企業のメンタルヘルス対策に関するコンサルティング、様々なメンタルヘルス研修会の講師に加えて、産業医科大学における企業向けメンタルヘルス対策支援事業を担当。
著書は『人事担当者、管理職のためのメンタルヘルス入門』(東洋経済新報社)。その他、日経ビジネスオンライン『事例で学ぶメンタルヘルスのツボ』、Work(リクルートワークス社)『健康経営のココロ』を共同執筆。
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