日本の電力業界の見通しは安定的 《ムーディーズの業界分析》


コーポレートファイナンス・グループ
シニア・バイス・プレジデント 八巻 純一


 ムーディーズは日本の電力業界の見通しは安定的とみている。一般電気事業者10社および大手卸電気事業者である電源開発(Jパワー)の長期債務格付けAa2の見通しも安定的である。格付け対象の一般電気事業者は、中部電力、中国電力、北海道電力、北陸電力、関西電力、九州電力、沖縄電力、四国電力、東北電力、東京電力の10社である。

日本のエネルギー方針は従来から極めて一貫性が高く安定しており、政府は従来から包括的なエネルギー政策をとってきた。政府はエネルギー業界に対するこれまでの支援的な姿勢を中期的に維持していくとムーディーズはみている。規制当局は、電力会社が発電から送配電まで行う一貫した事業体制を維持するとしている。

政府は電源の構成を最適化するために、原子力発電や代替エネルギーの開発の推進を重視している。しかし、日本では風力・太陽光エネルギー開発の可能性は限定的とムーディーズはみている。再生可能エネルギーは供給量が不安定であるため、発電量が少なければ送配電網に与える影響は限定的だが、大量の発電が可能になった場合、電力の安定供給が問題となるだろう。

ここ数カ月の国内の工場稼働率の低さを考慮すると、景気減速によって電力販売量は確実に減少するとみられる。しかし、国内の電力需要は中期的に堅調な伸びを示すとムーディーズはみている。

石油や他の化石燃料の価格変動は、「燃料費調整制度」によって自動的に日本の電気料金に反映される。電力会社はこの制度によって、燃料価格の変動影響を料金に織り込むことができる。

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