観光地で広がる「ご当地香水」 資生堂と地方の意外なコラボ

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 資生堂が手掛ける「ご当地香水」を扱う観光地が増えている。

きっかけは2004年。資生堂に広島県尾道市から、美術館専用グッズを作ってほしいと依頼があった。観光名所である千光寺公園の桜の香りをあしらった香水を商品化し、美術館や商店街で販売したところ、初回生産分2000本がわずか3日で完売。その人気が口コミで広がり、06年には隣の竹原市からも要請され、地元の竹の香りを基調とした香水を発売した。

当初、事業化する計画はなかったが、自治体からの反応がよく、06年には7地域に拡大。その後も引き合いが続き、現在は18地域の香りを取り扱う。一番人気の尾道版は累計で3.2万本を売り上げ、香水としては異例のヒットとなっている。

最大のこだわりは、ご当地ならではの香り。同じ桜でもその土地で咲いた状態の香りを再現するため、調香師が現地へ出向き、周りの空気と一緒に香りを採取するほどの凝りようだ。製品開発は資生堂が手掛けるが、販売は地元の観光局などが中心に行い、大々的な宣伝はしない。それでも全国ブランドの資生堂と「ご当地」という意外な組み合わせが人気につながり、「資生堂が地元の香りを作ってくれるなんて、と喜ばれている」(資生堂アメニティグッズの平山文子氏)。香水にはなじみの薄い日本だが、旅土産の新たな定番となるか注目だ。

(倉沢美左 =週刊東洋経済)

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