知らないとヤバい!インフル「基本中の基本」

細菌・ウイルスの本質を理解していますか

ワクチンの予防接種とは、この「人相書き」を予め体に覚えさせること。ウイルスや細菌を弱らせておいて体に入れ、免疫システムにその特徴を覚えさせて撃退するのだ。免疫力はさまざまな細菌やウイルスに触れることで鍛えられる。

アレルギーとは免疫システムの誤作動?

かといって免疫システムが万能かというとそんなことはない。花粉症、食物アレルギー、アトピー。いまや日本人の3人に1人が、悩まされているこれらのアレルギーに免疫の働きが関係しているというのをご存じだろうか。

医学の進歩と衛生状態の改善によって、日本では寄生虫や伝染病が撲滅され、1999年からの15年間で感染症にかかった患者の数は減り続け、結核は半分にまで激減した。その一方で、小児アレルギーは増え続け、食物アレルギーも約2倍に増えている。感染症患者の数が減る一方、アレルギーの患者数が増えるという反比例の現象が起きている。

メカニズムを理解して正しく予防をしましょう!TBSテレビ『テレビ未来遺産 緊急!池上彰と考える今年の細菌・ウイルス大疑問』は1月27日(水)よる8時から3時間SPで放送

免疫学の権威である大阪大学・坂口志文教授はこういったデータをふまえ、「世の中がキレイになり、アレルギーが増えた」と指摘する。現在アレルギーは、侵入者を駆逐するためにあるはずの免疫系が自分自身を攻撃したり、本来は無害な物質をむやみに攻撃するようになったりすることで、生じると考えられ始めている。

人の体は細菌、ウイルス、寄生虫などと一緒になって、持ちつ持たれつ共生関係を築きながら進化してきたが、その相手が急にいなくなり、人の免疫系が大混乱した。その結果が現代のアレルギーだという。つまり、過度な除菌がアレルギーを増やす原因になっているというワケだ。もちろん、以前のような不潔な社会に戻れば乳幼児死亡率は昔のように上昇する。それでも、これまで悪者だと決めつけていた細菌やウイルスが、実は私たちの免疫機能を鍛え、アレルギーを防いでいたとも考えられる。

最近、私たちの消化吸収を助ける腸内の細菌の生態系「腸内フローラ」を整えることで、直接はお腹と関係のないようなさまざまな病気を治療、予防できることもわかってきている。人類は細菌やウイルスと闘いを続けてきただけでなく、実は共生してきたといえるのだ。細菌やウイルスに対するとらえ方を変えれば、人間の生命と健康の新しい常識にたどり着けるかもしれない。

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