キユーピー、好調決算に潜む卵高騰の重し 第三の柱、サラダ・惣菜の育成は途上
4期連続最高純益――。1月7日、キユーピーは2015年11月期決算を発表した。売上高は5782億円(前期比4.5%増)、営業利益は264億円(同8.6%増)。純利益は、ジャムで有名なアヲハタの子会社化による特別利益が上乗せされ、過去最高の170億円(同27.4%増)となった。業務用タマゴ加工品の値上げ効果や、海外における家庭用マヨネーズ・ドレッシングの販売拡大が業績を押し上げた。
2016年11月期について、会社予想では増収増益としている。が、営業利益は固定資産の償却方法変更に伴う20億円のかさ上げを差し引けば、4億円の減益となる見通し。業績が順調なキユーピーの前に立ちはだかるのは原料高だ。
マヨネーズやドレッシング、そしてタマゴ加工品を主軸に据える、キユーピーにとって、原料の鶏卵や食用油の相場が業績に与える影響は大きい。その鶏卵・食用油の相場が近年上昇し、調達コスト増として、営業利益を押し下げている。
飼料高を反映し卵価格が上昇
特に鶏卵相場の高騰は顕著だ。JA全農(東京)における鶏卵Mサイズの基準値をみると、2012年は1キログラム当たり平均179円だったが、2013年夏頃から上昇を始め、2015年は同228円に到達した。相場高騰の背景には、養鶏場の人手不足だけでなく、飼料価格の上昇がある。日本は飼料のトウモロコシや大豆のほとんどを輸入に依存しており、現地相場の高騰や円安によって、調達コストが増大している。
大豆や菜種を原料とする食用油は、バイオ燃料の普及や中国をはじめとする新興国での需要拡大により、2007年頃から価格が上昇。米国や南米で大豆の豊作が続いたことで、2014年頃から価格は下がりつつあるが、依然として円安の影響が残っている。
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