ソニーがエンタメで描く「2020年の事業プラン」

吉田CEOが掲げた「人に近付く」コンセプト

2020年、ソニーはデジタルメディアを中心としたエンターテインメントについて、どのような事業プランを持っているのだろうか? 専務でR&D(研究開発)担当の勝本徹氏に話を聞いた(筆者撮影)

ソニーの前社長兼CEO・平井一夫氏が退いて1年半以上が経過。吉田憲一郎社長兼CEOは2019年を通して「クリエーターとともに新しいエンターテインメントを生み出していく」姿勢を前に出し続けてきた。

ソニーの強みはエンドユーザー向け製品にこだわった作り込みをすることだけではなく、音楽や映像、写真などを生み出すクリエーターとクリエーターを支える制作サイドとの強い結びつきやノウハウの共有こそが強みであることだ。

これは滅亡の危機にあったアップルが、iTunes Music StoreやiPodなどを通じて音楽アーティストとの関係を深め、結果的にポータブルオーディオ製品の主役として復活し、ブランド力を高めていったストーリーとも部分的に重なる。

もっとも、デジタルメディア黎明期の当時と現在では事情は異なる。
スマートフォンによる市場革命は終わり、その過程で多数あったソニーをはじめとする家電メーカーが開発・販売していた商品はその種類が激減してしまった。スマートフォンがあれば、たいていの使い方はカバーできてしまうからだ。

ではソニーは映像、音楽、写真といったデジタルメディアを中心としたエンターテインメントについて、どのような事業プランを持っているのだろうか?

2020年1月には、新たな1年について語るCES 2020でのプレスレセプションが控える。次の世代に向けて、どのような種まきをしているのか? ソニー専務でR&D(研究開発)担当の勝本徹氏に話を聞いた。

「人に近付く」の真意

平井一夫前会長時代は“ソニーの再建”が最優先され、製品ラインナップの整理と各事業領域における競争力強化を徹底させた。その結果、収益体質を大幅に改善したことは周知のとおりだが、言い換えれば「本来の機能を取り戻し正常に戻った」とも言えるだろう。

そのうえでメディカル分野に力を入れ、2019年はCEATECにも2013年以来、久々に出展したことは記憶に新しい。

「オリンパスとの合弁についてはご存じの方も多いでしょうが、事業の詳細については知らない方も多いでしょう。実は2015年以降、4Kセンサーと画像処理技術、それにオリンパスの技術を組み合わせた内視鏡やビデオ顕微鏡システムが商品化されていますが、その技術開発を担っています。メディカル事業の単年黒字化も2018年度に果たしました。今は黒字を増やすというよりは“再投資”をしてもっと大きくしていきたいと考えています」(勝本氏)

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