箱根駅伝「薄底vs.厚底」靴の知られざる闘い ナイキ驚異のイノベーションが歴史を変える
アスリートはメーカーより「人」につく
――西本さんは、全国各地の駅伝・長距離レースを取材されていますが、なかでも各選手の靴に注目されているそうですね。
アスリートにとって、靴は、そのメーカーのものを履けばおカネがもらえるというようなものではなく、その靴を作る人との関わりが重要になっていることがわかり、面白いなあと思ったんです。
日本には、元アシックスの靴職人、三村仁司さんという方がいらっしゃいます。高橋尚子さんや野口みずきさんなど名だたるアスリートの靴を作り続けていた方ですが、三村さんがアシックスを退職して独立し、アディダスと専属契約した瞬間、アスリートたちもアディダスを履きだしたんですよ。ああ、彼らはメーカーについていたのではなく、人についていたんだなと。
三村さんは、おそらく世界で1番、アスリートたちの足を実際に触り、見続けてきた人だけあって、誰にどんな走りをしてほしいのかという、走りに対する思想や哲学がある。これはいくらおカネを積まれても代えられない。アスリートファーストなんですよね。


















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