その「最強必殺技とは何か」。それは「スマイル☺」=「笑顔」である。CM2本分ぐらい、読者の方をじらしてしまった挙げ句に「そんなことか!」と思われるかもしれないが、これが重要なことなのに、意外に忘れられていることなのだ。
もちろん、誰でも、仏頂面よりも笑顔の方が人をいい気分にさせることぐらいは知っているだろう。ただ、サービス業の方などを除いては、笑顔をそれほど毎日意識する人は実は、日本人には少ないのではないだろうか。
日本人は目で笑い、アメリカ人は口で笑う
写真に撮られるアメリカ人を観察していると、口を思いっきり横に広げ、並んだトウモロコシの実一本分の歯を見せたような笑顔を見せる人が本当に多いことに気づく。この点について、北海道大学の結城雅樹教授が興味深い研究を発表している。
日本人とアメリカ人を比べた実験で、日本人は目元、アメリカ人は口元に注目し、感情を読み取るということが分かった。さらに、日本とアメリカの絵文字を比べても、面白い結果が出た。日本の笑いの絵文字は目で、アメリカの笑いの絵文字は口で笑っている。
これについて結城教授は「日本人は周囲の人との関係や集団内の調和を守るため、本当の気持ちが顔に表れないようする。この際、目の動きを司る筋肉は口の動きを司る筋肉と比べ、意図的に制御しくにいので、目にはどうしても本心が出てしまう。だから、相手の本当の気持ちが知りたいとき、日本人は目を見て判断する。一方で、アメリカでは本心を正直に顔に表すことが奨励され、口角を上げて笑っているかどうかなど、目元よりも大きく動く口に着目しているのではないか」と分析する。そういった意味で、日本人の笑顔はわかりにくく、目立ちにくいとも言えるのかもしれない。
年を取るほど笑顔は消える
小さい子どもは実に無邪気に笑う。赤ん坊は胎内にいることから笑顔を浮かべるのだそうだ。3Dの超音波でも、ニンマリ笑う胎児の姿が見られることがある。人間は、子どものころは一日何と400回もほほ笑むのだそうだ。それが大人になり、ハッピーな人間は大体一日45回、普通の人だと一日25回しか笑顔を見せないという。感情表現の豊かなアメリカ人でこのレベルだということは、日本人はせいぜい一日10回程度ということになるのだろうか。
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