新幹線の車窓から見える「あの看板」の秘密

白地に赤い数字、寝具メーカー、アプリ…

区間によっては数分おきに出現する「727」の野立て看板。正確な設置数については「非公表」とのことだが、筆者が以前数えたところでは東京~新大阪間でA席側、E席側合わせて30基以上確認した。窓側に座っていれば、新大阪までの2時間半の間に、15回前後目にする機会がある計算だ。ただし、近年は区間によっては減少傾向にあり、ほとんど設置されていない区間もある。

東海道新幹線の利用者は1日43万人、窓側に座っている乗客は半分の20万人程度だから、相当な広告効果が期待できると言えるだろう。現在は、東海道新幹線だけでなく山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線の沿線にも設置されている。

もっとも、インパクト勝負の看板であるだけに、旅客機に関係する何かと誤解している人も多い。実は「727」という数字は、創業者である宮副武次氏の誕生日が7月27日であることに由来する。会社創立や東京進出といった節目も、7月27日あるいは任意の月の27日に行われたことが多く、「727」という数字に企業として強い思い入れがあるようだ。

時代とともに移り変わる「看板」

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京都西川は、海側と山側で内容が異なる

東海道新幹線沿線の野立て看板には、「727」だけでなく、さまざまな種類がある。「727」と並んでよく知られるのが、寝具メーカーの京都西川。

こちらは商品名を記載しており、E席側を「ローズ羽毛布団」、A席側を家庭用温熱医療機器の「ローズテクニー」に統一しているのがユニークだ。

今は野立て看板をやめてしまった企業も多い。蚊取り線香で知られる大日本除虫菊の「金鳥」も、かつては新幹線沿線に多くの野立て看板を出していたが、2008年頃を最後になくなった。

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新幹線からよく見えるようにするため、野立て看板はかなり巨大だ

2011年には、携帯ゲームアプリの「ケータイ国盗り合戦」が新横浜~小田原間の9カ所に看板を設置。携帯電話の位置情報を利用するスタンプラリーゲームで、短時間で多くの場所を通過する新幹線の乗車中にも忘れずに遊んでもらおうというコンセプトだった。

一時は多くの人がTwitterなどで話題にし、想定以上の広告効果があったというが、広告契約を終えた2014年までに姿を消している。老舗メーカーから、ケータイアプリへ。新幹線の車窓から野立て看板を観察していると、時代の移り変わりも感じとることができる。

次ページ一つも看板がない区間もある
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