新幹線の車窓から見える「あの看板」の秘密

白地に赤い数字、寝具メーカー、アプリ…

東海道新幹線に乗ると、よく見掛ける「727」の野立て看板

東海道新幹線は、新横浜駅を発車すると初めて「本気」を出す。

徐々に加速し、左に横浜羽沢貨物駅が見える頃時速200kmを突破。横浜市を出て、小田急電鉄高座渋谷駅と交叉するあたりで最高速度に近い時速270km前後に達する。

この辺りから小田原駅の手前までは、東海道新幹線建設に先立って1962(昭和37)年から各種走行試験が行われた「鴨宮モデル線」の区間だ。車窓からは徐々にビルや家が減り、田園風景が目立ってくる。

誰もが見覚えある「アレ」が出現

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新横浜発車から約6分。藤沢市に入ったところで、車窓右手に新幹線の車窓の代名詞ともいうべき「アレ」が初めて姿を現す。

白地に赤文字で「727」と書かれた巨大な看板広告。新幹線を利用する人ならきっと見覚えがあるはずだ。よく見れば「COSMETICS」とも書かれているが、時速270km前後で走る新幹線からはほとんど読み取れない。たいていは「727」という数字と、白地に赤文字という印象だけが残る。

これは、大阪に本社を置く化粧品メーカー、セブンツーセブンの野立て看板(屋外広告)だ。

セブンツーセブンは、美容室などを販売チャネルとするメーカーで、一般の消費者がドラッグストアなどで製品を購入することはできない。そこで、「727というインパクトのある会社名を知ってもらおう」(セブンツーセブン・磯島裕介氏)と、1979年から新幹線の沿線に野立て看板を設置している。

新幹線沿線にいくつも広告を設置すれば、車窓風景を眺めている乗客の目に何度も触れる。走行中の新幹線から1つの看板が見える時間はわずか2~3秒。その時はなんだかわからなくても、後日美容室で製品を目にすれば、「見たことがあるブランドだ」と思ってもらえるというわけだ。

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