外資ファンドが名乗り ルネサス再生への勝算

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外資ファンドが名乗り ルネサス再生への勝算

経営不振の半導体大手ルネサスエレクトロニクスに対して、米国の投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が経営権取得に動いていることが表面化した。KKRはNEC、日立製作所、三菱電機の大株主3社と主要銀行に出資案を提示。ルネサスの第三者割当増資を1000億円規模で引き受ける方向で調整中だ。

NEC、日立、三菱の半導体事業を統合して誕生したルネサス。余剰人員と過剰設備を抱え、統合前(の単純合算)も含めると前期までで7期連続の最終赤字が続いていた。7月にはグループ従業員の3分の1に当たる1・4万人の削減や、国内に18ある製造拠点のうち10カ所を3年以内に売却・閉鎖するといったリストラ計画を発表。10月1日付で大株主3社が計495億円を融資することで合意し、主要取引先銀行4行も500億円の追加融資を決めている。

しかし、1000億円の融資では十分ではない。2012年3月末時点の自己資本は2179億円。今13年3月期はリストラに伴う特別損失などで1500億円の最終赤字を見込む。状況次第ではもう一段の毀損もありうるだけに、資本増強が必須だった。大株主3社からの追加出資は拒否された経緯があり、「ファンドへの出資交渉も当然考えていく」(赤尾泰社長)としていた。大株主3社も出資比率が下がることに反対はない。今回、有力候補だったKKRとの交渉が進展したわけだ。

米国の老舗ファンドのKKRは、RJRナビスコに史上最大のLBO(レバレッジドバイアウト=買収先の資産などを担保に資金を調達するM&A手法)を仕掛け、同社の一部事業を売却したことから「バーバリアン(野蛮人)」と呼ばれたこともある。半導体では06年に欧州の電機大手フィリップスが分離したNXPセミコンダクターズに90億ユーロを投資し、10年に株式公開させた。日本での買収実績は人材会社インテリジェンス1件にとどまる。

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