東芝、「自己資本比率10%割れ」でどうなるか

株式・金融市場からの資金調達は苦しく

記者会見で深々と頭を下げる室町社長(右)。1万0600人を削減する痛みは感じているか

財務上で今後予想される最大の懸念は、米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)だ。2016年1月にも予定される減損テストで、将来の収益力に懸念があるとされれば、巨額の減損を迫られるだろう。

テストの確認を任されているのは新日本監査法人だが、新日本自身が金融庁から新規業務停止などの処分を受けており(新日本は来期から東芝の監査を辞退)、内外からの懸念を払拭するためにも、監査の姿勢がより厳格になる可能性もなしとしない。

事業の切り売りで資金を調達

公募増資や社債発行を事実上閉ざされた東芝は、人員削減などによるキャッシュフローの捻出は当然のことながら、株式などの資産や黒字事業の切り売りによって、半導体事業など”金食い虫”の設備投資の資金を調達していくしかない。

そのため構造改革では、「即効性のある財務体質の強化」(室町正志・東芝社長)をすべく、100%子会社の東芝メディカルシステムズを売却する方針を固めた。ヘルスケアは主要部門の中で、今期唯一、黒字を確保する見通しだ。世界的にシェアの高い製品を複数抱えており、成長戦略の一つとなる”虎の子”の事業のはずだった。 

「(投機的になったことで)東芝に対する市場の見る目は厳しくなるが、銀行との関係は引き続き強い」と、S&Pの柴田アナリストは見る。東芝が銀行と結んだコミットメントライン(融資枠)は、7620億円(9月30日時点)あり、すぐに資金繰りが悪化することはなさそうだ。だが、銀行の懸念を払拭するためにも、いずれ既存株主や取引先を対象にした第三者割当増資など、市場を介さない資本増強策を迫られることも考えられる。東芝にとって綱渡りの日々が続く。

                         (撮影:尾形文繁)

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