1回勝って終わる人と「勝ち続ける」人の差 世界一プロ・ゲーマー梅原大吾の「仕事論」
――モチベーションを維持して、続けられる人=強いということでしょうか。
うーん、それはちょっと違います。ただ単に続けるだけではダメ。「数をこなす」ことと、「上手くなるか」は別問題です。数をこなしていても、発見のない人っているんですよ。「あいつ、あんなにやってるのに上手くならないな」っていう人は、とりあえず数をこなした自分に「酔いしれている」にすぎない。
プロは、ある一定の数をこなした後、アプローチを変えなければならない時がきます。
乗り物で例えるなら、ある地点までは車で来られたけど、そこからは徒歩じゃないと進めません、とか、逆に、それまで徒歩できていたところが、車じゃないと先に進めない、というような感じです。誰かが新しいことを発見したとして、その新しいことに対して工夫しないで数で埋めていこうとすると、行き詰まるんですね。
僕がいちばん意識しているのが、「本当にこれでいいのか」「なんでこれが有効なのか」と考えることです。たとえ上手くいっていてもそれについて考えることを止めない。もちろん、時間をかければわかるもの、っていうのもあるんですよ。数をこなす、時間を費やすだけの意味がある課題を発見できたら、そこから時間をかけて「実験」すれば答えが見つかる。
でも、何を実験したいのか、というのは、結局自分で発見するしかない。「自分で発見する」ことにいちばん意識を向けないといけないです。
1日1個、発見する
僕は「今日なんか発見あったかな。あ、これ発見だったな」と自分のなかで認識するものを1個だけ作ろうと考えています。
1日1個発見できるようにしておこうとやっていくと、1ヶ月くらいで差が大きくついてくるんですね。これは、2個、3個ではなくて、1個でいい。
内容も「視点」といえる大きいものだけじゃなくて、「知識」を発見するというのでもいいんです。
知識というのは普遍的なもの、直接その後に役立つものではないですけど、それも自分にとっては成長といえば成長なので。知識についても、小さい知識の積み重ねが視点の変化を生むので、知識も大切だなとは思います。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら